30代までに「知的インプット」をどれだけできるか、がその後の明暗を分ける。足りない人を待つ落とし穴とは?
まぁそんな事をしていたからか、今でも平日は同じものをあえて複数持っている。上下黒のユニクロしか着ない、という個性も何もない感じになっているのだが……。 もちろんどこまでやるか、は自分次第で考えればいいのだが、この年齢のビジネスパーソンはやはり知的インプットの時間をいかに増やすか、という事に焦点を当てるべきだし、繰り返しだがその頑張りや工夫はその後の人生を大きく変えると言っても過言ではない。 さて、それ以降の40代50代を含むビジネスパーソンであるが、以降は先ほど述べた通り、仕事においてはインプットよりもアウトプットの質と量を高める、という方向性にもっていくべきであり、その時間の優先順位を引き上げるべきだ。
もちろん知的インプットの時間確保は引き続き重要だ。 しかしそこに時間を大量投入するという事はせず、今まで培ってきた経験やスキルをベースとして、ルーチン的にインプットする、という程度でよいと思う。 時間をかけて包括的に、というよりはピンポイントで的を絞って、という感じだ。 ■いつか仕事を離れたり、一線を退く時のために それよりも、年齢とともに健康ケアをより重要視しないといけないし、現実的に体力も衰えてくるから、より長く質のよい睡眠時間の確保とか適度な運動なんかが大切になってくる。
加えてその後の長い人生を、仕事だけではなく人生全体のクオリティーを上げるために趣味の時間を持ったり、さまざまな教養を身に付けるための時間確保が大切になってくる。 だれしもいつかは仕事を離れたり、一線を退く時が来る。 そういった時に備え、それこそ24時間を持て余さないように、早めに趣味や仕事以外で熱中できる何かを見つけておく。 30代前半までは「その後のキャリアに備えての先行投資」として知的インプットを行ってきたが、以降は「その後の人生に備えての先行投資」として、仕事以外へ自分の幅を広げる事にも注力するべきなのだ。
もちろんそういった事を通じて、人間としての深みや幅が広がったり、人間観察力がより鋭くなったり、より大局的な視点で世の中を見られるようになったりと、仕事にとってもプラスの影響が出る事も間違いないだろう。 キャリアと人生、双方ともに長距離走であり、ゴールの見えないものだ。 だからこそ、長期的な視点でもって、今何をするべきか、何を優先するべきかを考え、メリハリのある時間の使い方が大切なのだ。
安井 元康 :『非学歴エリート』著者