年金だけで生活する高齢者世帯は約4割。65歳以上「退職済み」夫婦世帯の貯蓄額や生活費はいくら？
65歳以上・無職夫婦の家計費は「毎月約4万円の赤字」に
総務省統計局が公表する「家計調査報告 家計収支編 2023年（令和5年）平均結果の概要」から、65歳以上・無職夫婦世帯の平均的な家計収支を見ていきます。 ・実収入（額面）:24万4580円 ・非消費支出（税金・社会保険料）:3万1538円 ・可処分所得（手取り）:21万3042円 ・消費支出:25万959円 ・不足分:▲3万7916円 65歳以上・無職夫婦世帯における、1ヵ月の実収入の平均は24万4580円であるのに対し、消費支出・非消費支出の平均は合わせて28万2497円だと判明しました。 すなわち、65歳以上・無職夫婦の家計には、毎月約4万円の赤字が発生していることになります。 さらに、昨今は物価が上昇している上に、高齢者の社会保険料負担も増加傾向にあることから、将来的にはより赤字幅が拡大していくことも予想されます。 したがって、老後に備えるためには、インフレや税金、医療費および介護費用など、様々な外的要因や突然の出費に耐えられるように、余裕を持った資金を用意しておく必要があるでしょう。
「年金だけで生活できる」のは高齢者全体の約4割にとどまる
厚生労働省の「2023（令和5）年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活できている高齢者世帯は、全体の41.7％にとどまることが判明しました。 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100％の世帯:41.7％ 80～100％ 未満の世帯:17.9％ 60～80％ 未満の世帯:13.9％ 40～60％ 未満の世帯:13.2％ 20～40％ 未満の世帯:9.3％ 20％未満の世帯:4.0％ すなわち、年金だけでは家計に赤字が発生し、生活が厳しくなる世帯が半数以上あるという訳です。 年金だけで生活費を賄えない場合、不足分は貯蓄から切り崩していくことになります。 年金以外の収入を得るために、65歳以上も働こうと考えている方もいらっしゃるでしょうが、万が一働けなくなった時のことも想定しておくべきでしょう。 今現役世代の方は、貯蓄や投資などで早めのうちから老後資金の準備を始めることが大切です。
