大津高のタレントが揃うと言われる“3年周期”。今年は勝負の年、Jスカウトも太鼓判を押すポテンシャル「全員が良い」
札幌のキャンプに練習参加も
経験値が豊富な選手が多いため、新チームへの移行もスムーズだ。2月に行なわれた九州新人大会でも対戦相手の監督が舌を巻くほど圧倒的な実力差を見せつけたが、神村学園高との決勝は0-1で敗戦。確かな手応えを感じ、一つ目のタイトル奪還に向けたモチベーションは高かっただけにショックも大きかったが、敗戦を機に選手の目の色が変わったという。 「チームとして一番変わったのは味方への要求。チームメートが簡単なミスをしたら、きちんと指摘するようになったので練習の雰囲気が変わった」と話すのはMF舛井悠悟(3年)。主将を務めるDF五嶋夏生(3年)も「各々があの一戦で負けた悔しさを持ちながら練習に取り組めているので、以前よりも強度が高く、良い質でやれている」と続ける。 加えて、積雪を回避するため、2月半ばから北海道コンサドーレ札幌が学校近くの大津町運動公園で長期間にわたるキャンプを実施。スタメンの多くがトレーニングパートナーとして、日替わりでの練習参加を経験したことも成長をさらに促進した。 PUMA CUPでは、ボランチからコンバートされたばかりのFW兼松将(3年)が5得点を奪い、得点王に輝いた。右サイドの舛井もスピードに決定力が加わり、ブレークの予感が漂う。昨年から主力を務める五嶋や嶋本は他との違いを感じさせるだけでなく、ピッチに立つ全員が主役クラスのプレーを披露している。視察に訪れたあるJクラブのスカウトも「誰か一人が良いのではなく全員が良い。穴がない」と太鼓判を押すほどだ。 「簡単に負けるようなチームではないと、みんなプライドを持ちながらやっています」と舛井は自信を覗かせるが、チームに気の緩みは見られない。 山城監督も「ここまで対戦してきたのは初見のチームばかり。特徴を知られたなかでどれだけやれるかは、シーズンが始まってみないと分からない。そこで出た課題に対してこれからやっていきたい」と気を引き締める。 強さが知れ渡れば渡るほど警戒網は強くなる。勝負の年であるがゆえに難しさもあるのは確かだが、今年の大津はそれすらも打ち破れるだけのポテンシャルを秘めている。 取材・文●森田将義
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