FB型水平対向エンジンを搭載したスバル フォレスターはスムーズな回転が印象的だった【10年ひと昔の新車】
28%もフリクションが低減されたFB型4気筒水平対向エンジン
2010年10月、3代目フォレスター(SH型)に発表されたばかりの新世代4気筒水平対向エンジンFBが搭載された。世代半ばでの搭載が話題となったが、従来型の4気筒水平対向エンジンEJとの違いをアピールしたかったのかもしれない。Motor Magazine誌は登場間もなく試乗テストを行っているので、今回はその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年1月号より) 【写真はこちら】フォレスター2.0XS。一部改良が行われたが、エクステリアには大きな変更はない。(全4枚)
EJからFBに。スバルの4気筒水平対向エンジンが、21年ぶりに全面刷新され3世代目となったが、その新エンジンが搭載されたのがフォレスターの改良モデルである。新しいエンジンを積むならフルモデルチェンジされたニューモデル、それも主力車種のレガシィからと考えても良さそうなものだが、スパッとモデルサイクルの半ばのフォレスターから搭載したスバルの英断には拍手を送りたい。いいものを早く使いたいと考えるのは当然のことなのだ。 この新しいボクサーエンジン“FB型”には2Lと2.5LのNAが用意されるが、フォレスターには2Lが搭載された。従来のEJ型→新型のFB型を2L同士で比較すると、総排気量が1994cc→1995cc、圧縮比が10.2→10.5、ボア×ストロークが92×75mm→84×90mm、最高出力は109kWのまま変更ないが最大トルクが191Nm→196Nmへとアップ、燃費も約10%向上させたという。 この新しいエンジンは、環境対応型である。「EJ型エンジンには限界が見えていたので、思い切って新しくしたのです。FB型は細部まで徹底的に見直すことでコンパクト化に成功、さらにスモールボア&ロングストロークにして燃焼室のポテンシャルをあげ、フリクションは28%も低減させました。10%改善された燃費の1/3は、このフリクションの低減によって達成したものです」と商品企画本部の市川和浩プロジェクトゼネラルマネージャーは言う。