自転車より遅い超赤字「JR芸備線」は残すべき?廃止?…乗って考えた 「ここで暮らせるのか」嘆く住民、初協議の行方は
高齢化や人口減少を肌で感じるといい「人が住んでいない地域を走っているのに何を再構築するのか。住民と行政に温度差がある」と議論に懐疑的だ。「鉄道の存廃だけでなく、ここで暮らし続けられるのか、田舎の行く末を考えてほしい」 ▽沿線住民の声は届くか 翌日は土曜日。備後落合駅から午後2時36分発の新見行きに乗る。休日とあって広島方面からの乗客が20人ほどいた。 列車は木々をかき分けるように進み、鉄橋を渡る。落石事故防止のため低速で走り、アトラクションのようだ。 結局、終点の新見駅(岡山県新見市)で降りるまで、乗り込んできた乗客は1人だけだった。 新見駅から折り返し、午後7時52分、備後落合駅に戻る。暗くなった無人のホームで、最終列車を見送った。 再構築協議会は3月26日に広島市で初会合が開かれる。3年以内をめどに、芸備線の存廃方針がまとめられる予定だ。沿線住民の声は届くのだろうか。