UAゼンセン、春闘で過去最大の賃上げ要求へ
労働組合のUAゼンセンは、来年の春闘で、ベースアップ(ベア)と定期昇給分を含めて6%、額にして1万7000円と過去最大の賃上げ要求を行う執行部案を5日決定します。 UAゼンセンは、生活に関連する繊維・衣類、医薬品などの製造業、スーパーマーケットや外食産業などで働く人が加入する労働組合です。 UAゼンセンによりますと、来年度の賃金を決めるための来年の春闘では、ベースアップと定期昇給分(年齢や勤続年数、業績などに応じて定期的に賃金が上がる仕組み)を含めて、6%アップを基準とし、額にして1万7000円増を要求するという執行部案を、5日午後の中央執行委員会で決定するということです。これは、UAゼンセン結成以来、最大の要求幅だということです。 また、パート労働者については、7%アップを基準とし、額にして時給80円増を要求する方針です。 永島智子会長は「(社員、パート含め)全ての組合員に対して、物価上昇分を上回るベースアップが必要だと考える。全員が7%ベアという考え方ではないが、少なくとも誰1人賃金が上がらない人がいないように、という要求指針だ」と述べ、社員だけでなくパートの人も含めた全体の賃上げを目指すことを強調しました。 また組合がない会社や店舗などについては「最低賃金の引き上げが大きな取り組みだと思う。パート労働者の賃金は(他社との)競争に左右されるので、組合があるところの賃金がしっかり上がることによって組合がないところにも波及すると考えている」と述べました。 また、パート労働者の賃上げ要求7%という数字については、政府が最低賃金を2020年代に平均1500円にするという目標を掲げていることに触れ、これを達成するには毎年、最低賃金の約7%増が必要となるため、「7%はけっして高いものではないという理解ができるのではないか」と述べました。 春闘の賃上げ交渉が特に厳しくなりそうな分野は、医療・介護のほか、衣類・繊維の下請けなどだということですが、本当に賃上げの原資がないのかどうか、労働組合としても経営状況などを調べて具体的に提示して交渉する必要があるとしています。 そして、経営状況や価格転嫁(賃上げや材料費高騰などの影響を売る製品に上乗せすること)の状況は、企業によって異なるので、UAゼンセンとして各組合ごとに個別の支援を強化し、賃上げ交渉の後押しをしたいとしています。