「上半身だけ人間」セミヒューマノイド…韓国で進む納品、産業現場への導入間近
【12月10日 KOREA WAVE】人間の上半身の形状を持つ「セミヒューマノイド」ロボットが次々と登場している。完全な歩行型ロボットが普及するまでの間、車輪移動型プラットフォームが主流となるか注目されている。 ヒューマノイド(人型)は、ロボット業界で技術開発の目標とされている。人間中心に設計された物理的な環境で共に生活するためには、人間に最も近い形が適しているからだ。 しかし、ロボットが人間のように柔軟で素早い動きを実現するのは難しい。多くの関節を精密に操作することは簡単でないうえ、歩行中の転倒を防ぐためのバランス制御が大きな課題となっている。また、1回の充電でわずか1~2時間しか動作しないバッテリー仕様も問題視されている。 業界では、二足歩行型の「完全ヒューマノイド」を最終目標としつつ、市場ニーズに応じた妥協案を提示し、ロボットの活用可能性を模索している。その結果、足が不要な環境で多くの作業を自動化できるセミヒューマノイドが登場している。 韓国ではレインボーロボティクスが3月に初のセミヒューマノイドロボットを発表した。 「移動型両腕ロボット」と呼ばれる「RB-Y1」は、高速移動可能な車輪型モバイルベースに両腕ロボットを搭載した形状をしている。協働ロボットと自律移動ロボット(AMR)で使用される主要部品をそのまま活用し、産業用ロボットに匹敵する信頼性と性能を実現したと評価されている。 RB-Y1は車輪を除いて22軸を持つ。複雑な動作生成を容易にするため、データアーム(マスター)を連動させてロボット(スレーブ)のティーチングが可能だ。さらに、両腕の自己衝突領域を設定し、ユーザーがティーチング中に衝突を自動的に回避する機能もサポートしている。AI(人工知能)を活用できる学習用シミュレーション環境も構築されている。 現在、RB-Y1は30台の先行予約が完了し、納品が進められている。国内外の主要大学や研究機関が製品を購入し、応用方法を模索していることから、実際の産業現場への導入も間近と見られている。 レインボーロボティクスの創業者兼CTO(最高技術責任者)であるオ・ジュンホ氏は、10月の講演で「移動型両腕ロボットが数多くの研究機関の実験で、予測できなかった作業を成し遂げている」と語った。 また、韓国のニューロメカは、医療現場で使用されるセミヒューマノイドロボットを開発中だ。同社は9月、韓国産業技術振興院(KIAT)が主導する国際共同研究・開発プロジェクトの主幹企業に選定された。米ジョージア工科大学の研究チームと共同研究を推進しており、5年間で100億ウォン(約10億5000万円)の予算が投入される。 このロボットも車輪駆動型で両腕を持つ形状で開発される予定だ。病棟内で患者と日常的な会話をしたり、服薬指導をしたり、さらには手術室で医師を補助することを想定している。例えば、医師が手術用メスを求めると、ロボットが器具を手渡すような使い方だ。 ニューロメカはモーターや減速機を含む部品からヒューマノイドロボットの完成品まで、すべて自社で開発し生産する方針だ。このプロセスを通じて、迅速な商用化を目指している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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