ソフィア・コッポラのビューティ哲学と、コラボリップ誕生の秘話。
プレミアムスキンケアブランドの「アウグスティヌス バーダー」と映画監督ソフィア・コッポラのコラボレーションが発表された。フランスのマダムフィガロが彼女のビューティ哲学を特別取材。 アウグスティヌス バーダーは、アウグスティヌス・バーダー教授と実業家のシャルル・ロジエが共同で立ち上げたスキンケアブランドだ。昨年10月にデザイナーのハイダー・アッカーマンと限定品コラボをしたのに続き、今回は『ヴァージン・スーサイズ』や『プリシラ』で知られる映画界のビッグネーム、ソフィア・コッポラとタッグを組んだ。これは当然のこととも言える。なぜならソフィア・コッポラは自ら"アディクト"と称するほど、ブランドでカルト的人気を誇る「リッチクリーム」の熱烈なファンなのだ。こうして誕生したのが3色のティントリップバームだ。広告キャンペーンも監督が手がけた。そんなソフィア・コッポラをニューヨークに訪ね、今回のコラボレーションについて、そしてビューティ観について話を聞いた。監督はひとりの女性として、映画監督として、10代のふたりの娘を持つ母親として語ってくれた。
ー アウグスティヌス バーダーとのコラボレーションが生まれたきっかけは?
そもそもティントバームが好きなんです。ある製品を愛用していたのですが、発売中止になってしまいました。ある程度ストックがあったものの、ついに入手できなくなって、そこでアウグスティヌス バーダーの透明リップバームを以前から気に入っていたこともあり、私の好きなティントで作ってもらえないかとバーダー教授に手紙を書きました。これは映画作りで学んだことですが、何か欲しいものがあったら正しい相手と直接交渉すべきです。自分が欲しいなら、ほかにもそういう人がいるはずだとも思っていました。
ー あなたにとってメイクとは、日々あなたの味方になってくれるもの? それとも変身するためのツール? 社会的にやむなくするもの?
むしろ楽しむものでしょうか。外の世界と向き合う前の準備段階として、儀式的な側面が気に入っています。若い頃は疲れが顔に出ないかもしれません! でも年齢を重ねるにつれて努力しなければならない部分も増えてくるはずです。少し色を足すだけで気分があがります。しかもいつもより「おしゃれしている」気になれるのです。とりわけパリではそうですね。メイクアップアーティストのサンドリーヌ・カノボックに華やかなアイメイクを施してもらうと、とてもうれしくなります。自分ではできないので。