“翔馬対決”も勝つ!YJSから飛躍目指す佐藤
日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週担当するのは東京本社・面来陽介(34)。12日に園田、14日は中京で開催される「2024ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)」のファイナルラウンドに出場する佐藤翔馬(20)を取り上げる。 佐藤はトライアルラウンド(JRA東日本地区)を首位通過、晴れてファイナルラウンドに駒を進めた。ファイナル出場を大きく引き寄せたのは10月のTRラウンド浦和。セールスポイントのガッツあふれる騎乗で連勝、一気に60ポイントを獲得した。「同じ時期にデビューしたジョッキーが集まったレースで連勝できたのはうれしかったです」と素直に喜んだ。次はさらにライバル意識が高まるファイナルラウンド。「もちろん優勝だけを狙っていきます」と気合も入っている。 ルーキーイヤーに出場した昨年は思ったような騎乗ができなかった。唯一の勝利は9月船橋のトライアルラウンドのみ。「がむしゃらにテンに出しに行くだけの競馬が多かった」と反省が口をつく。このままではいけない。“何かを変える”必要があった。 「大きく変えたのは気持ちの面。落ち着いて騎乗するように心がけています。昨年以上に大切にしているのは馬の気持ちを感じ取ること。パドックや返し馬からも感じ取れるようになれば、必ずレースに生きてくると思っています」 ファイナルラウンドは22、23年と美浦所属の先輩ジョッキーが連覇している。それを振ると「もちろん知っていますよ。今年は僕が獲って継続したいです」。美浦所属騎手の3連覇に自信をのぞかせる。ライバルとして挙げたのが金沢所属の加藤翔馬。その理由を聞いてみると「名前が同じだからです(笑い)。やっぱり負けたくないですよ」と“翔馬対決”からも目が離せない。 今年は大ファンの横浜DeNAベイスターズが26年ぶりに日本一になった。セ・リーグ3位から下克上を成し遂げた。「同じように僕も優勝を狙っていきます」。堂々と胸を張って挑む最終決戦。激戦を勝ち抜き進化を見せる佐藤が若手騎手の頂点を目指す。 ◇佐藤 翔馬(さとう・しょうま)2004年(平16)11月8日生まれ、神奈川県出身の20歳。美浦・杉浦宏昭厩舎所属。23年3月デビュー、同年9月10日に初勝利。JRA通算356戦4勝。父の博紀さんは騎手として地方通算512勝を挙げ、現在は川崎競馬で調教師。趣味はダーツとサウナ。好きなプロ野球選手は横浜DeNAベイスターズの神里和毅。 ◇面来 陽介(おもらい・ようすけ)1990年(平2)9月7日生まれ、埼玉県出身の34歳。元消防士。1年間の見習い期間を経て4月からコラムデビュー。