うどん・そば、それともカップ麺? 地域で分かれる「好きな麺」、支出総額は「東高西低」
手軽に食べることができ、種類や食べ方も豊富な麺類。長野県の「信州そば」や香川県の「讃岐うどん」など、多くの地域で名物料理にもなっている。家庭で食べる麺類への支出はどうなっているのか―。総務省の家計調査には、「生うどん・そば」「中華麺」「カップ麺」など種類別にデータがまとめられている。都道府県庁所在地(以下「都市」)の1年間の支出金額を見ると、麺類全体では「東日本が高く西日本が低い『東高西低』の傾向」があることが分かった。さらに細かく調べると、種類ごとに「地域色」があることも浮かび上がった。 【グラフ】47都市の麺類全体への支出金額(種類別に積み上げ)
分析方法
家計調査は麺類を「生うどん・そば」「乾うどん・そば」「パスタ(2019年は『スパゲッティ』)」「中華麺」「カップ麺」「即席麺」「他の麺類」の7種類に分け支出金額を集計している。今回は、生うどん・そば、乾うどん・そばをひとまとめに「うどん・そば」として合算した。 また、分析には「2人以上の世帯」の都道府県庁所在地の年間支出を使用。調査年による特異な変化があった場合の影響を避けるため、2019~2023年の5年間を平均。それを年間支出額として比較した。金額は小数第1位を四捨五入している。
麺類全体への支出
山形市が2万4611円でトップ。盛岡市(2万3017円)と青森市(2万2497円)が続き、トップ3は東北勢が占めた。トップ10にも東北、関東甲信越から計8都市が入っている。他地域からは、4位の高松市(2万2347円)と8位の富山市(2万1482円)がランクインした。全体的には「東高西低」の傾向が見られる。 最下位は1万5214円の那覇市。46位に大分市(1万6158円)、45位に宮崎市(1万6636円)など、下位には九州沖縄を中心に西日本の都市が目立つ。
カップ麺と即席麺を別集計
各都市の支出額1位は、長野市を含む29都市が「うどん・そば」だった。続いた「カップ麺」は、札幌市や東北の太平洋岸、鹿児島市を除く九州など17都市。「沖縄そば」が郷土料理として根付く那覇市が「中華麺」となった。