月収32万円・38歳のシングルマザー、小4ひとり息子が「学校に行きたくない」と号泣。きっかけは担任教師の「何気ないひと言」
子どもに「体験」をさせてあげることが難しい「ひとり親世帯」の現状
話は冒頭に戻ります。 布団をかぶったまま泣いている息子を置いていくことなどできず、この日は急遽、仕事を休んだという小林さん。息子が落ち着いたところで、理由を聞いてみたといいます。 ――いじめ? 初めはそう思いましたが、学校に行きたくないといった理由は、夏休み明け、担任教師の何気ない第一声だったといいます。 ――みんな、夏休みはどうだった? 楽しかった? そこでハッとした小林さん。 ――今年の夏は仕事が忙しく、暦通りの休み以外は取れなかった 特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンが低所得のひとり親家庭に対し行ったアンケート調査によると、「ひとり親家庭になって以降、子どもに体験活動をさせる頻度がどのように変化したか」の問いに対して、55.9%が「かなり減った」、20.8%が「やや減った」と回答。また「子どもに学校の外での活動を体験させることに対して、どの程度の難しさを感じているか」の問いに対しては、19.7%が「非常に難しくまったく体験させていない」、51.0%が「やや難しくあまり体験させていない」と回答しています。またその理由として最も多かったのが「経済的余裕がないから」で89.4%。続いて「時間的余裕がないから」が61.1%でした。 同調査は低所得家庭を対象としていますが、小林さんのように平均以上の収入があったとしても、ひとり親だと時間的余裕がなく、子どもの体験活動に差が生じてしまうことも珍しくないようです。 小林さんの息子、自分だけ「どこにも行っていない……」ということになり、「小林くんは親が離婚しているから仕方がないね」と友だちにいわれたとか。それがすごくイヤで、学校に行きたくなくなったというのです。 ――結局仕事ばかりで、寂しい思いをさせていたな 仕方がない部分があるとはいえ、親の都合を押しつけていたと反省したという小林さん。この日はそのまま母子で出かけたといいます。 [参考資料] 厚生労働省『令和3年度全国ひとり親世帯等調査』 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』 特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン『ひとり親家庭へのアンケート』