「プラダ」2025年春夏メンズは、自由な精神や若々しい楽観主義の賛歌 見るものをあざむく仕掛けが満載
そして、シャツやミリタリースタイルのアウターの襟や袖口、裾にはワイヤーを入れ、クシャクシャに。パンツやジャケット、ニットには完璧なものを崩すためにミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)が好むシワ加工を施し、レザーにはパティーナ加工を施すことでビンテージライクな風合いを加えている。そこには、「そのものに命が宿っているような、生きている服を作りたかった」というミウッチャとラフ・シモンズ(Raf Simons)の思いが込められている。
そんな今季のクリエイションに背景にあるのは、自由な対話から生まれた直感的な思いつきだという。ミウッチャは「若々しい楽観主義を表現するようなことに取り組みたかった」とコメント。一方、ラフも「年をとると、考えすぎて自分を制限してしまうことがある。「若者の心は、なんて新鮮なんだろう。若い頃は、ただ突っ走る。私たちは、その精神を気に入っている」と説明する。2人が表現したのは、自由な精神、若々しい楽観主義、そしてエネルギー。それは、緑や黄色、紫、ピンク、シアンといった鮮やかな差し色使い、スーパーヒーローをイメージしたという大ぶりなファスナーを配したジャンプスーツなどからも感じ取れる。
ユニークなアレンジを効かせたアクセサリー
バッグは、ウエアに通じるポップなカラーで彩ったスエードや風合いのあるスムースレザーの新作が充実。横長のスクエアボストンやトート、ウエア同様のコントラストカラーのファスナーをアクセントにしたスリングバッグを提案する。また、先シーズンのランウエイに登場した“プラダ バックル”バッグは、ベルト部分にスタッズをあしらいアップデート。バッグのベルトやパンツにトロンプルイユで表現されたベルトと同じようなデザインは、実際のベルトとしても販売される。
シューズは、カラフルな配色で仕上げたジャーマントレーナーやクラシックなモンクストラップシューズのアレンジに注目だ。どちらも先シーズン(24-25年秋冬)に見られたような極薄ソールを使い、バレエシューズのようにかかとに伸縮性があるデザインとスリッパスタイルを用意。それだけでなく、ジャーマントレーナーは、人気シューズ“モノリス”のチャンキーソールと合わせたモデルや、つま先をメタルパーツで覆ったものもラインアップする。
サングラスは、スポーティーかつフューチャリスティックな一体型レンズのデザインが印象的。鏡面仕上げのレンズには、身の回りの風景を反射するかのようにビーチやライブ会場の写真が部分的にプリントされたものもあって面白い。