2024年も圧倒的大活躍!藤井聡太竜王・名人の一年を振り返る 将棋連盟100周年イヤーに偉業達成、初の失冠も…スターとの共演も実現!?
実りの秋には、「第72期王座戦五番勝負」が開幕。前期、タイトルを藤井竜王・名人に譲り“全冠制覇”を目前で許すこととなった永瀬拓矢九段が挑戦者として立ち上がり、立場を入れ替える形で“再戦”が実現した。前期同様の死闘に大きな期待が寄せられていたものの、藤井竜王・名人はここでも実力を発揮し、3連勝で初防衛を決めてみせた。酷暑となった2024年。暦の上では秋を迎えていたものの、高温の日が続いていた。暑がりの藤井竜王・名人を気遣ってか、対局場は低めの温度で空調管理されていたものの、まさかの“16度設定”を知ると「実際に16度になったら寒い(笑)」と吹き出し笑いする場面も。その後、“いつもの”20度設定をしっかりオーダーするなど、空調にこだわる藤井竜王・名人らしい一面も見せていた。 10月には、防衛4連覇がかかる最高峰タイトルの「第37期竜王戦七番勝負」がスタート。ここでは、番勝負初登場の佐々木勇気八段が挑戦者となった。天真爛漫な挑戦者は、絶対王者を相手にしても独自のペースを崩すことなくシリーズを“満喫”。封じ手には通常、苗字を上下斜めに二か所記すこととなっているが、佐々木八段は姓と名を分けて記す“新手”を披露。食の面でも各開催地の気に入ったメニューをとことん連続注文するなど、話題の面では藤井竜王・名人を凌駕するほどだった。そんな挑戦者にペースを狂わされたか、第2局・福井対局では藤井竜王・名人にひゃっくりが止まらないプチハプニングも発生した。もちろん、盤上でも深い研究をさく裂させるなど藤井竜王・名人との星の取り合いは壮絶なものに。結果は王者が4勝2敗で制して見せたが、見ごたえの多い七番勝負はファンを多いに盛り上げるものとなった。 最高峰タイトルを防衛4連覇で制し、保持する七冠を堅守し怒涛の年内公式戦を終えた藤井竜王・名人。“師走”の文字通り、その姿は北へ南へ。初の絵本『藤井聡太ものがたり』の大ヒットから増刷が決まったニュースが飛び込めば、12月8日には野球の聖地・阪神甲子園球場に登場。羽生善治九段とともに、同球場と日本将棋連盟との100周年コラボ対局に臨んだ。野球経験は体育の授業のみで「バットに当たったという記憶は残念ながらないです…(笑)」と苦笑いしていた藤井竜王・名人。記念対局では羽生九段に敗れたものの、フィナーレでは球場対決らしく「かっ飛ばせー!フ・ジ・イ!」コールも。「(かっ飛ばせと応援されたのは)初めてで、甲子園らしい声援を頂いて温かい気持ちになりました」と貴重な経験を楽しんだ様子だった。