2024年も圧倒的大活躍!藤井聡太竜王・名人の一年を振り返る 将棋連盟100周年イヤーに偉業達成、初の失冠も…スターとの共演も実現!?
藤井竜王・名人に休息の間はない。春には「第82期名人戦七番勝負」が開幕し、復位を狙う豊島将之九段を挑戦者に迎え熱戦を繰り広げた。遅咲きの桜が残る第1局・東京対局は、異例の大熱戦に。終盤戦では、前傾姿勢で右肩を落とし盤をのぞき込むような姿勢から、ぎゅっと握った右手を口元に当ててフッっと一息。ABEMAの中継に出演していた佐藤康光九段は、この“勝ち確定”とも言えるポーズを一目「あ、このポーズは危険です!」と警戒。挑戦者目線で絶望の心境を解説したことも大反響を呼んだ。全国各地で開催されたシリーズは4勝1敗で防衛。次なる目的地は、名人戦と並行して行われていた「第9期叡王戦五番勝負」となった。 叡王戦は、棋王戦五番勝負に続いて伊藤七段が挑戦者に。早くもタイトル戦で4度目の激突とあり、3度挑戦を退けられてきた伊藤七段は並々ならぬ思いで本シリーズに乗り込んだ。藤井竜王・名人は開幕局で白星発進を遂げたものの、第2・3局で連敗。苦しい中で第4局を取り返し、フルセットの最終局へ臨んだ。八冠防衛か、タイトル戦敗退か――。6月20日に行われた運命の第5局は、熱戦の末に伊藤七段が勝利し初タイトルを手にした。藤井竜王・名人の八冠時代は約8カ月で終えることとなったが、「(失冠は)時間の問題だと思っていたので、これからまた頑張りたい」と冷静に総括していた。 再出発となったのは、「ヒューリック杯第95期棋聖戦五番勝負」だ。ここでは43歳で15年ぶり2度目のタイトル挑戦を叶えた山崎隆之八段が挑戦者に。独自の世界観を持つ山崎八段とのシリーズにも、藤井竜王・名人は堂々とした王者の将棋を披露し、3連勝で防衛5連覇を達成。最年少の21歳11カ月で「永世称号」を獲得した。さらに、“真夏の七番勝負”として親しまれている「伊藤園お~いお茶杯王位戦」では、第65期の今期、渡辺明九段とのタイトル戦で6度目の激突が実現。入念な研究をぶつけて絶対王者に迫ったものの、シリーズは藤井竜王・名人が4勝1敗で防衛5連覇。22歳1カ月で、最年少“永世二冠”獲得の偉業を成し遂げた。 年間を通じてタイトル戦で全国各地を飛び回る藤井竜王・名人だが、すでにタイトル戦登場回数は27回。王者としての凛々しい表情のほか、時折見せるお茶目な顔も魅力と言えるだろう。棋界のトップランナーとして、9月8日には将棋連盟100周年記念式典と祝う会に出席。ファン参加型のコンテンツとしてビンゴ大会が企画されていたが、藤井竜王・名人はもちろん“抽選する側”。「私もビンゴ大会に参加するつもりだったのですが…」としょんぼり顔を見せるなど、ユーモアあふれるスピーチでファンを楽しませていた。