コスト増に勝つECサイトになるには? コスト削減の基本方針と戦略+アプローチをわかりやすく解説
うちは高級路線だから、顧客体験への影響は重視しなきゃいけないな。重み付けして評価するかな。
そうだね、中小のネットショップでもできる具体策を考えてみようか。もちろん業界のルールや地域による送料の違い、お客さんの購買行動など、状況はネットショップによってそれぞれだから、亮ちゃんのお店に適しているか考えながら聞いてみてよ。
■ 商品(Product) たとえば、A商品とB商品をパッケージ商品にすると、単純計算で在庫回転率があがるから在庫に関連したコストの削減につながるね。仕入れ商品でもセット販売することでオリジナル商品になるし、高級感のアップにつながる。そうすれば利益率も伸ばしやすくなるよね。
パッケージ商品を乱発させると、在庫リスクになる可能性もあるね。
そうだね、パッケージの中身、包装は流動的に変更できるようにするなど、ひと工夫しておかないと在庫になる可能性があるね。あと、在庫を減らすには、需要予測を立てて生産部門と共有する、長期滞留在庫をリストアップし販促、思い切って廃棄するといった方法もあるね。
あー、需要予測はやってなかった。去年のデータがあるから早速やってみるわ。
商品の観点から言うと、全商品のコスト構造を見たわけだよね。原価が高コストになっている商品は、廃番にするとか、ラインナップを見直した方がいいかもしれない。商品開発の段階から参画して、原材料の代替案を検討することもできるね。社内でエンドユーザーに接している唯一の部門なんだから、商品開発の担当もお客さまの声を聞きたいんじゃないかな。原材料の代案は高品質が維持される範囲で検討するといいよ。
■ 物流(Place) 物流業務を専門に手がけている会社にアウトソーシングすることで、コスト削減効果につながる可能性がある。また、配送会社との契約を見直す余地もあるよ。配送量に応じた値引き交渉、地域ごとに複数の物流会社を使い分けることで配送の最適化をするといったこともできるね。亮ちゃんのショップの場合はOEM事業の物流ネットワークがあるから、複数の物流倉庫を活用している場合はそのトラックで横持ち配送するなんて工夫ができるかもしれないね。あとは、工場直送。お客さま先に直送して在庫コストを減らすことだけど、亮ちゃんのところはどう?