SKY-HI「みんながやったら国が変わる」 BE:FIRST『Masterplan』でプラスチック10トン削減、約2倍の売上達成
株式会社BMSG(代表取締役CEO:SKY-HI、以下BMSG)が、2024年4月24日リリースのBE:FIRSTコンセプトシングル『Masterplan』販売における活動成果を報告。CD製造段階のプラスチック使用量の約10トン削減、CDとグッズを含む作品全体にかかる総売上が約2倍に拡大(前作比)したことを発表した。 【写真】BE:FIRSTのコンセプトシングル『Masterplan』でCD製造段階のプラスチック使用量を約10トン削減 BMSGは、日本の音楽業界のCDに依存したビジネスモデルに対する課題意識から以下の取り組みを実施した。 ・プラスチックから紙のCDジャケットへ刷新。 ・販売店/販売サイトごとに異なる購入者特典(=法人別特典)やランダム封入のCD特典の廃止。ランダムで7種類中の1種類を封入していたCD特典は、7種類すべてを封入したグッズとしての販売へ変更。 「プラスチックから紙のCDジャケットへ刷新」では、CD製造段階のプラスチック使用量を約10トン削減。これは59トン分のCO2排出量削減に相当するという(※環境省の排出原単位データベースを基にK&ESG社よりLCA評価)。 「各種特典の廃止」では、作品全体にかかる総売上が前作比で約2倍に拡大。従来の特典制度の廃止によりCDの出荷枚数自体は約7万枚減少した一方で、特典に代わって販売したグッズの売上が拡大した。また、 特典付きCD販売から、よりアーティストへの還元率が高いグッズ販売へ転換したことにより、アーティスト個人により多く還元することができたようだ。 BMSGのYouTubeチャンネルには、同活動成果の詳細やSKY-HIのコメント動画がアップされた。 SKY-HIは、BMSG設立前から音楽業界から無駄と無理をなくしたいと考えていたことを説明。続けて「今の日本の音楽ビジネスは崩壊寸前」と前置きし、その代表的なボトルネックの一つがCDビジネスにあると主張。CDの大量放棄、ファンのアーティストを応援する気持ちを搾取するようなシステムへの危機感を募らせながら、「CDの枚数をゲームにすることから降りなければいけない」と考えを述べる。 今回の成果である「59トン分のCO2排出量削減」の規模の例えを「スマホのフル充電約1,200万回分に相当する」と説明するSKY-HI。「これをもしみんながやったら国が本当に変わる。ひと月で変えられるレベルのことだと思います」とプラスチック削減への手応えを示した。 また映像ではSHIBUYA TSUTAYAのスタッフである新崎匠氏、Billboard JAPANの礒﨑誠二氏へのインタビューの模様も収められている。「各種特典の廃止」について新崎氏は、「正直な感想としてはきついな、しんどいなっていう部分とついにこの時が来たのかっていう。要は誰かがやらなきゃいけなかったよねっていうことは、それで恩恵を受けている側の僕ら自身もなんとなく感じていたところではあると思う」と本音を語り、礒﨑氏は「彼らがファンのことであったり、聞き手のことを信じることを諦めていなかったのはすごいことだと思う」と今回の施策を高く評価している。 SKY-HIは「1人とか、1アーティストでは成し遂げられるものじゃないし、もっと言えばこの1作品で結果が出たからってすぐに世の中が変わるとは思わないんですけど、これをちゃんと発表して当たり前を変えていきたい。変わらないため変わっていくだけ」と今回の施策を振り返る。続けて「過激派になって真逆のことをやりましょうっていうことではなくて、これは本当に白か黒かではなくて、いかに白に近いグレーを一緒に模索できるかって話だと思うので、同じ志だって思っている人がいたら、本当に頼むから積極的に声を上げてほしいなと思う」と呼びかけた。 本取り組みは、2024年2月にBMSGが提示した「音楽業界を持続不可能にしないための提言」からスタート(※1)。そのほか2024年4月にBMSG公式YouTubeチャンネルで公開した「2024 BMSG CEO PRESENTATION」 においても、SKY-HI自らが日本のCDビジネスに対する問題意識について触れており、今後もBMSGは日本の音楽業界の持続可能なあり方を追及し、具体的なアクションを続けていくと発信している。 ※1:https://bmsg.tokyo/topic/240213/
リアルサウンド編集部