【2024年版】建設業界とは?業種・職種から現状と課題、将来性まで解説【志望動機の例文あり】
建設業を取り巻く現状と課題
ここでは、建築業界の現状と課題を解説します。 ■建設業界の現状 建設業界では人手不足が深刻化しており、就業者だけでなく、技能者、技術者も減少し、高齢化が進んでいる状況があります。国土交通省が公開している「建設業を巡る現状と課題」(※)によれば、建設業就業者数(2022年平均)は479万人で、ピークを迎えた1997年と比べると約30パーセント減となっています。また、建設業就業者の年齢層については、55歳以上が35.9パーセント、29歳以下は11.7パーセントで、次世代への技術継承をどうしていくのかが大きな課題となっています。 また、昨今の国際情勢や円安などによって、輸入建築資材が高騰しているため、海外から資材を輸入している企業においては、コスト面で打撃を受けているケースも見られます。一部には、自社内でボルトなどの部品を作り、内製化を進める企業も出てきており、自助努力でコスト削減を図っています。 ※出典:参考資料「建設業を巡る現状と課題」(国土交通省) ■建設業界の課題 建設業界が抱えている課題について解説していきます。 ▶深刻な人手不足と若手人材育成の遅れ 「建設業を巡る現状と課題」によれば、60歳以上の技能者は77.6万人で全体の約4分の1(25.7パーセント)を占めており、10年後にはその大半が引退することが見込まれています。 これからの建設業を支える29歳以下の割合は全体の約35.3万人で、12パーセント程度にとどまっている状況です。若手人材の育成が遅れ、技術継承ができていない状況があるため、今後は若年層の入職者を確保し、育成していくことが大きな課題とされています。 ▶2024年問題への対応 国による「働き方改革関連法」が適用開始されたことで、「時間外労働の上限規制」に従うことが義務化されていますが、建設業界は慢性的な人手不足のため、一部の働き方改革関連法案の適用に5年間の猶予期間が設けられています。建設業界は、法案適用となる2024年4月までに労働環境問題を改善しなくてはならず、「2024年問題」として注目を集めています。 また、2023年4月より労働基準法が改正され、中小企業における60時間を超える法定時間外労働の割増賃金率を25パーセントから50パーセントへと引き上げる法案が適用されており、今後の労働時間の上限規制適用と相まって、さらなる人手不足を引き起こすことが懸念されています。そのため、国土交通省は、若手人材の育成とともに、担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体化して進めることが必要であるとしています。 ▶DX化の推進 建設業界では、2024年問題に対応するために、DX(※1)を進めています。国土交通省は、ICT(※2)施工や建設生産プロセス全体で3次元データを活用し、収集したビッグデータビッグデータを集約・管理するなどの施策「i-Construction」を推進しています(※3)。 全国的な浸透を図るとともに、デジタル化も活用したきめ細やかな施工・執行管理や、地方自治体の取り組みの「見える化」を通じて、施工時期の平準化などを実現し、より生産性向上を図ることを目指しています。 ※1 「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略。「進化したデジタル技術を活用し、ビジネスだけでなく人々の生活をより良い状態へ変革する」という概念を表す。 ※2 Information and Communication Technologyの略。情報通信技術のこと。 ※3 出典:参考資料「建設事業各段階のDXによる抜本的な労働生産性向上に関する技術開発」(国土技術政策総合研究所 社会資本マネジメント研究センター)