たった一言!「教室の空気」をポジティブに変える教師のスゴ技
コトバ①
「嬉しいことがあったので話します」「感動したので話すね」
<予告>して、安心感を担保する
今回は学級づくりにウエイトを置いた「教室コトバ」になります。 例えば国語の授業を始める前に、少し子どもたちに伝えたいことがある。内容は、子どもたちの態度を褒めること。その場合、私たち教師はどのように話し出せばよいのでしょうか。 まずは、次のように話し出した場合。 ❶「少しみんなに伝えておきたいことがあるので、授業を始める前に少しお話します」 あるいは、 ❷「授業を始める前に、連絡があります」と話し出す……。 この場合、だめだというわけではありませんが、損をしています。もしくは少しのマイナス。 それは、❶は、コトバの中の「少し」という部分です。話す側は何を話すかわかっているので気持ちよく話し出せますが、子どもたち聞く側からすれば「少しってなんだろう」「え、もしかして何か怒られるのかな」と思ってしまうかもしれません。加えて、もし何かをやらかしていたら(笑)、「自分が怒られる、自分のことだ」と勝手に思ってしまうかもしれません。 いずれにしてもせっかく「良いこと」を伝えようとしているのに、もったいないですね。 ❷は、とくにどの言葉がよくないというわけではありませんが、「良いことを伝える」というニュアンスはないので、子どもたちの気持ちを上向きにさせることはありません。 まとめると、❶でも、❷でも、せっかく「良いこと」を伝えようとしているのにそのニュアンスを利用していないのでもったいないわけです。 せっかくなら、話す前から子どもたちの気持ちを上向きにさせたい。良い気分で聞ける教室の空気を作りたいのです。そこで、今回のコトバ①です。 「嬉しいことがあったので話します」 この場合、わざと「嬉しいこと」と最初に子どもたちに宣言しているわけです。そのことにより、子どもたちの中に、「今から素敵な話になる」「褒められる」という感覚が生まれます。そしてそれは、教室全体の「プラスの空気」を生むのです。 コトバ一つのことなのですが、されどコトバ一つ。「嬉しいこと」や、「感動した」というコトバを話し出しの最初に置くだけで、場の空気ごと良いものに変えていくことができる。言葉は考えてつかおう、とずっとお伝えしている理由です。