旭川市教育委員会「いじめなし」 市長にずさんな報告
北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が失踪後に凍死した問題で、広瀬さんが失踪前の19年6月に自殺未遂をしたことについて、市教育委員会が当時の市長に「学校でしっかり対応している。いじめはない」と報告していたことが11日、分かった。市教委の対応のずさんさが改めて浮き彫りになった。13日で失踪から3年となる。 当時の市長西川将人氏が共同通信に明らかにした。後の調査で、自殺未遂の直前に学校の先輩から受けた行為がいじめと認定されたが、西川氏は「情報が乏しく、市教委の認識が『トラブル』という状況では、いじめだと判断して市として対応することはできなかった」と振り返った。 自殺未遂は、地元月刊誌が約3カ月後に報道した。市教委の内部資料と西川氏によると、当時の教育長らは西川氏を訪ね「事実と全然違う」と非難。本人からの訴えがないことなどから「いじめとの判断に至っていない」などと説明した。
また広瀬さんが既に転校しており「同種の事案は発生しない」とも述べた。