真のグローバルECを作る日本発 Lingble社 CEO原田真帆人の哲学とは?
インターネットによって、どこにいても世界と繋がることができるようになった。海外への連絡もとりやすくなり、スマートフォンひとつあれば、世界中のお店でショッピングを楽しめる時代なのだ。 市場が世界に開かれているならと、多くの企業は海外進出を狙っている。だからといって、ECサイトを開くだけでは成功しないだろう。利権や法律の問題も解決しなければならない。では、グローバル展開をするにはどうしたら良いのか。 今回取材をした「株式会社Lingble(リングブル)」のCEOである原田真帆人さんは、そうしたグローバル展開を望む企業のサポートを行っている。同社はグローバル企業ということでシンガポールに本社登録があるものの、社員は世界中に散らばり、フルリモートによる経営を実践しているようだ。原田さん自身も、パリに在住とのこと。 日本人が海外でビジネスを展開しており、海外で起業を目指す若者のモデルともなりうるはずだ。Lingbleの哲学に加えて、これまでの原田さんの活動も含めて、お話を伺ってきた。
グローバルブランドのインフラ「Lingble」
ー日本では聞き慣れない方も多いと思います。どのような事業をされているのですか。 簡単に言えば、企業様のグローバル展開をサポートしています。ここで強調しておきたいのは、我々の仕事は展開に必要なECサイトや現地とのコネクションを提供するだけではないということです。 登山のサポートをする「シェルパ」をイメージしてください。グローバル展開はいわば登山です。海外で事業を成功させるためには、ブランディング戦略や法律、マーケティングといったいくつかの問題を解決しなければなりません。
エベレストを完登したいという登山家に対して、「はい、これが登山道具一式です」と渡すだけでは、登頂どころか生死の境をさまようことになります。シェルパが一緒にいて、随時適切な指示を出すからこそ登り切ることができるんですね。 その意識を共有するために、「Journey Further, Together」という哲学を掲げています。顧客と一緒に、より遠くへ旅をしていきたいというものです。 ー社員もグローバルに活動しているとお聞きしましたが、どのような働き方をされているのでしょうか。 当社はBasecamp(ベースキャンプ)によるバーチャルオフィスを使っています。いろいろな部屋が用意されていて、世界33ヶ国にいる社員がリモートワークを実践しています。一般的な会社のように、出社して、お互いの顔を見ながら仕事をするわけじゃないので、一体感を作り出すのに苦労しました。