真のグローバルECを作る日本発 Lingble社 CEO原田真帆人の哲学とは?
具体的にどうしたかというと、Basecampのスペースに旅行や映画、手芸、ペット、子育て、フィットネス、ゲームといった仕事以外の話題をする場所を設けています。たとえば、バックパックひとつで南米やオーストラリアを飛び回っている社員は、昼間は旅行、夜に仕事というスタイルを持っています。世界中を旅しながら、各国にいるメンバーに会って食事をしている写真を上げてますね。 また今回「Lingbleで働いていることをLingbleで働いていると言わずに伝えて!」というお題を出したところ、ドイツ人のマーカスが生まれたばかりの赤ちゃんのおむつを換えながらZoomに接続する画像をアップしてくれました。 こうしたプライベートの様子もオンラインでオープンにすることで、社員同士のコミュニケーションを図っています。
ーLingbleが目指すECプラットフォームの理想形を教えてください。 AppleやNikeが実行しているようなグローバルECを広めることを目指しています。これは同じグローバル展開でも、越境ECと呼ばれるものとは似て非なるものです。 日本でビジネスを成功させると、次は海外だと言って、まず越境EC。そして各国に販売網を敷くんですね。そうすると、たしかにグローバル規模で販売をしているように見えるのですが、実際には各国のディストリビューターが力を持ってしまい、それぞれの国で運営するECが競合しあい国ごとの価格差が消費者にだだ漏れだったり、本社の指導が届かないというパワーバランスの乱れが生じたりします。これが越境ECとその先にあるローカルECの乱立という特徴であり、ブランドをグローバルで確立させるためには、ローカルECと越境ECをダイナミックに切り替えるグローバルECが最適です。 グローバルECを作り上げるためには、中長期的なロードマップをしっかりと計画し、海外の子会社やディストリビューターを本国が管理するECプラットフォームに乗せていくことが重要です。その上でも最初に自社ブランドの哲学を確立させ、本国と海外で共通の認識を持たせる必要があります。その上で、ローカライズに取り組んでいきます。スターバックスが日本向けに抹茶味のフラペチーノを提供していたり、オランダのマクドナルドで「マック・クロケット」が販売されていたりするのがそれにあたります。 大切なのは、DXの最適化を行っていくことです。大手のコンサルティング会社や開発会社だからといって、必ずしもグローバル展開の豊富な経験を有しているわけではありません。蓋を開けてみたら、オープンソースを使っているためにセキュリティに脆弱性があるとか、アメリカのADAという法律を把握していなかったことで訴訟問題に発展したという事例はよく耳にします。 Lingbleはシステムを作るだけでなく、自分たちがグローバル展開してきた経験を持っていますし、法律や経営の専門家が集まっていますので、大手にはできない細やかかつ手厚いサポートをできると自負しています。