「必要とされるすべてをもたらすことができた」ラシードがゲームを変えた“元祖ストレッチ4”を語る「今のNBAに完璧にフィットする」<DUNKSHOOT>
近年のNBAはハイペース化、ポジションレス化が進み、1990年代のようなビッグマン全盛の時代ではなくなった。パワーフォワード(PF)は、インサイドでのプレーだけでなくロングシュートも打てる“ストレッチ4”が主流となったが、元NBA選手のラシード・ウォーレス(元ポートランド・トレイルブレイザーズほか)は、90年代に役割変更の予兆があったと振り返っている。 【動画】コールマンの大学時代の好プレー集&ロビンソンの41得点ゲームはこちら! NBAのPFと言えば、チャールズ・バークレー(元フィラデルフィア・76ers)やカール・マローン(元ユタ・ジャズほか)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)といったスターたちが代表格として挙げられる。 主に80~90年代に活躍したマローンは、ポストプレーとミドルシュートを武器に歴代3位の通算3万6928得点を積み重ねた。一方、ノビツキーは7フッター(身長213cm)ながら歴代18位の通算1982本の3ポイントを成功させ、キャリア21年で歴代6位の通算3万1560得点をマークした。 現役時代に万能型ビッグマンとして鳴らしたウォーレスは、自身がホストを務めるポッドキャスト『Sheed & Tyler』で、ノビツキー以前にそのきっかけを作った選手たちがいたと語った。 「俺の時代にゲームを変えたパワーフォワードと言えば、クリフォード・ロビンソン(元ブレイザーズほか)だった。ロビンソンは、DC(デリック・コールマン/元ニュージャージー・ネッツほか)よりもジャンプシュートが上手かった。でも、DCは闘志や気概に溢れ、ポストプレーは彼の方が上手かった。15フィート(約4.6m)のシュートを打てるし、スピンムーブやクロスオーバーもできる。必要とされるすべてをもたらすことができた」 ロビンソンはブレイザーズでシックスマンとして台頭し、1994~96年には3年連続で平均20点以上をあげ、96年には自己最多となる178本(リーグ7位)の3ポイントを成功させている。一方、コールマンは90年ドラフトの1位指名選手で、平均20点、10リバウンドをキャリアで3回記録した。 ウォーレスは、対戦経験もあるコールマンについて、「DCは凄い男だった」と振り返る。 「ロビンソンはシャック(シャキール・オニール)ら自分よりも大きなビッグマンたちとマッチアップするコツを教えてくれた。DCはシューターではなかったが、3ポイントも打てた。全盛期のDCは、今のNBAに完璧にフィットすると思う。シンプルに身長208cm、211cmの男が難なく、自然にフロアでプレーしていたからね。サイズがあるうえに左利きで、モンスターだった」 コールマンは素行の悪さもあって、キャリアにおいて才能のすべてを発揮したとは言い難いが、戦った選手たちも認めるほどの実力者だったのは間違いない。 構成●ダンクシュート編集部