「おとり捜査」と「仮装身分活動」は何が違うのか 高市早苗氏、「サンジャポ」議論めぐりXで解説
自民党の高市早苗前経済安全保障相が2024年12月1日、自身のXを更新し、同日放送の情報番組「サンデー・ジャポン」(TBS系)の内容に言及した。番組では、闇バイト対策に関する高市氏の発言を取り上げた。Xではこの点に触れ、「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の対策提言案には「通信傍受の強化」と「おとり捜査」は入っておらず、盛り込まれているのは「仮装身分活動(身分秘匿捜査)」だと指摘した。 【画像】「サンデー・ジャポン」の内容に触れた高市早苗氏の実際のX投稿 ■「『通信傍受の強化』や『おとり捜査』に関する賛否が議論されていたそうです」 1日放送の「サンデー・ジャポン」では、高市氏が「通信傍受の強化や警察が身分を偽って捜査することなども検討すべきとの考えを示した」ことに触れた。最近では、高市氏は11月25日に長野県松本市で行った講演で、同趣旨の発言をしている。こうした高市氏の持論に対し、ネット上では賛否の声が上がっていると伝えている。 番組にスタジオから出演した実業家・堀江貴文氏は、「『おとり捜査』はいいと思うんですよ。ちょっと出てましたけど。ただ、通信傍受は何の意味もないんで」と指摘。 続けて、闇バイトの勧誘グループから届く連絡などの手続きは決まっているとし、「LINEとか、ある程度規制できるところに『こういうの来たら警告文を出す』とか、そういう対策を事業者にお願いするっていうのが、『おとり』とそれで対策するのが良いと思います」と提案した。 これを受け、高市氏が同日、Xを更新。高市氏は、番組は見られなかったが、「旧知の記者」から聞いたとして、番組内容を「いわゆる闇バイトによる犯罪への対策が取り上げられており、『通信傍受の強化』や『おとり捜査』に関する賛否が議論されていたそうです」と説明。
「仮装身分活動(身分秘匿捜査)」は「必ずしも犯罪実行の働き掛けを伴わない」
その上で、「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会で議論中の対策提言案(役員会で整理している段階の素案)」には、「通信傍受の強化」も「おとり捜査」も入っていないとし、「おとり捜査」について、次のように説明した。 「『おとり捜査』とは、平成16年7月12日の最高裁第一小法廷決定の通り『捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するもの』だと思います」 調査会で検討しているのは、「必ずしも犯罪実行の働き掛けを伴わない『仮装身分活動(身分秘匿捜査)』などに関する対策案」だと説明。今後のスケジュールについては「今月10日頃を目処に取り纏める予定です」としている。