厚生年金「月額30万円以上」を受給する人は日本にどのくらいいる?高額受給者の「現役時代の平均年収」はいくらか
株式会社帝国データバンクは、2024年11月11日に生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を公表しました。 ◆【一覧表】年金月額ごとの受給者数から、みんなが月額いくらの年金を受け取っているかチェック 「カレーライス物価指数」とは、総務省「小売物価統計」から、カレーライスの具材となる野菜などの材料や、電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格をもとに、それぞれの分量や各調理工程の分あたりエネルギー使用量を配分し、算出しているものです。 これによると10月のカレーライス物価は1食380円を到達する予想で、6カ月連続で最高値を更新しました。 このような物価の上昇は、家計にさまざまな影響を与えているのは言うまでもありません。今後もさらに物価が上がるのではないかという不安の声も多く聞かれます。加えて、少子高齢化の進行によって年金制度が維持できるのか、年金受給額が減ってしまうのではないかといった将来への不安も広がっています。 特に老後資金に対する不安を抱く方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、現在の年金制度と年金の平均受給額を見ていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【仕組みをおさらい】日本の公的年金は「厚生年金と国民年金」の2階建て構造
まず、公的年金制度の仕組みを理解してから、受給額を確認していきましょう。 日本の公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」という2階建て構造で成り立っています。 つまり、「国民年金のみ」加入する人と、「国民年金に加えて厚生年金にも加入している」人に分かれ、受給額にも違いが出ます。 ●国民年金(老齢基礎年金)はどんな人が加入するの? 国民年金(1階部分)は、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が原則加入することが義務付けられています。 国民年金では、収入に関係なく、60歳になるまでの40年間(480ヶ月)保険料を納める必要があり、保険料は一律です。 保険料は年度ごとに改定されており、2024年度は月額1万6980円となっています。 40年間すべての保険料を納めることで、老後に満額の国民年金(2024年度は月額6万8000円)を受給することが可能です。 なお、第2号被保険者(会社員など)は厚生年金保険料に含まれており、第3号被保険者(専業主婦など)は保険料を支払う必要がありません。 そのため、国民年金保険料を単独で支払うのは、自営業者などの第1号被保険者のみです。 ●厚生年金(老齢厚生年金)はどんな人が加入するの? 会社員や公務員などの第2号被保険者は、2階部分にあたる「厚生年金」にも加入します。 つまり、厚生年金に加入している人の場合、老後に受け取る年金は「国民年金(老齢基礎年金)+厚生年金」となります。 厚生年金の保険料は給与や賞与などの報酬に基づいて決まるため、個人によって異なるのが特徴です。 上記をまとめると、国民年金と厚生年金では保険料や年金額の決定方法が異なるため、加入状況によって年金額にも差が出ることがわかります。 国民年金のみの加入者の場合、「月額30万円以上」の年金収入を得ることは難しいでしょう。 また、厚生年金の加入者でも、現役時代の収入によって年金額には個人差があるため、誰しもが高額の年金を受け取れるわけではありません。 次章では、現在のシニア世代の厚生年金の受給額について詳しく見ていきましょう。