「セラピー犬」が持つ力とは?精神疾患や難しい手術後の患者にも影響があることが米研究で明らかに
病院や学校などで活躍する「セラピー犬」。先日、アメリカに住む白血病の少女のもとを2匹のセラピー犬が訪問し、その愛らしい動画が話題に。またアメリカ代表の体操選手たちのメンタル面も、セラピー犬がサポートしていたという。 【写真】白血病の少女やアスリートも…「セラピー犬」に癒される姿
セラピー犬に癒される白血病の少女
2024年9月、セラピー犬の資格を持つゴールデンレトリバーのエマとエリーは、6月から白血病の治療を受けている5歳のアマラを訪問。アメリカ・ワシントンD.C.のチルドレンズ・ナショナル・ホスピタルにいるアマラは、セラピー犬と楽しそうにふれあい、可愛らしい笑顔を見せた。 アマラの母親と継母であるトリシャさんとテイラーさんは『Good Morning America』に対し、「アマラはあれからエリーとエマの話ばかりしています」と語った。 「アマラは本当に喜んでいました。彼女はみんなに、エマとエリーがどんなに素敵で、どんなにかっこいい芸を見せてくれたかを話していますよ。それにエマとエリーはとてもやさしく、アマラの人生に多くの光を与えてくれた。ちょうど手術の準備をしているときに来てくれたので、不安を和らげてくれました」 さらにアマラの母親は、今回の経験から子どもや愛する人が入院している他の家族にとっても、ペットセラピーは前向きな休息になるとも語っている。 「もし私たちと同じような厳しい状況を経験しており、恐怖や無力感、悲しみに満ちているときに、どうしたら子どもに喜びを与えられるかと悩んでいるのなら、セラピー犬はその手助けをしてくれます。彼らは、特別な方法でみんなの心に寄り添う方法を知っているのです」
セラピー犬が持つ力とは?
チルドレンズ・ナショナル・ホスピタルのペット・セラピー・プログラムに参加しているエマとエリー。飼い主でコンテンツクリエーターでもあるケビン・ブボルツさんによると、毎週ボランティアとして病院を訪れ、患者たちとのふれあいの時間をつくっているとのこと。またケビンさんは、「ペットセラピーは人々の健康に大きな影響を与えることができます」と語っている。 実際に『Verywell Mind』によると、メンタルヘルス上の問題や精神疾患のいくつかは、セラピー犬によく反応することが研究で明らかになっている。うつ病、双極性障害、自閉症、ADHD、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アルツハイマー病など、さまざまな問題を抱えていると診断された患者は、セラピー犬やその他の動物との触れ合いから効果を受けているという。 さらには、難しい手術やひどい事故から回復しつつある患者が、アニマルセラピーに参加することで、痛みを和らげるという研究結果も出ており、このようなふれあいは、気分を高めるホルモンであるオキシトシンを増加させ、ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させることも別の研究で示されている。