急増するモバイルオーダーで客単価が上昇 導入の背景に新紙幣も…メリット・デメリットを調査 愛知
モバイルオーダーが増加したワケ
自分のスマホや携帯電話でQRコードを読み取って注文する「モバイルオーダーシステム」が飲食店を中心に増えている。 モバイルオーダーシステム「Airレジ オーダー」のリクルートによると、愛知県内では、2024年の3月末時点で、前年同期比で導入数が約2.8倍になっているということだ。QRコードを読み取って注文するオーダーシステムを導入する飲食店が増えてきた背景を調べてみた。 モバイルオーダーの導入が増加している理由は大きくわけて3つある。 1つ目は飲食業界の人手不足だ。愛知県内の複数の飲食店などによると、県内の多くの飲食店はコロナ禍から続く慢性的な人手不足に陥っているという。そうした状況の中で、人手不足解消の方法の一つが、QRコードでの飲食のオーダーということだ。 モバイルオーダーシステムを導入した店舗によると、従業員がオーダーを取りに行く手間が無くなったため、従業員の負担も減り、人手不足が解消されたうえ、人件費も減らすことができたそうだ。 2つ目は客単価の上昇だ。リクルートによると、モバイルオーダーシステムのほうが口頭よりも客単価が高くなりやすいという。 名古屋市内のある居酒屋では、モバイルのオーダーシステムを導入後、QRコードでの注文のしやすさからか、2024 年1月の客単価が前年同月比で 400 円増加した店舗もあったということだ。さらに、愛知県内の導入店で、導入前後の月額の売上高を比較すると、増加率は 18%だったという。 3つ目は新紙幣の発行だ。愛知県内のあるラーメン店によると、新紙幣発行に伴って券売機の更新が必要になる。券売機の更新は高額な上に、保守点検のランニングコストもかかることからモバイルオーダーシステムを導入した。 こうした背景から、モバイルオーダーシステムの導入を決めた飲食店も多いという。
多言語化にメリットも
愛知県内のある居酒屋によると、その他のメリットとしてQRコードでの注文システムを導入することで、外国人向けに多言語対応ができるようになったということだ。 類似のシステムとして、店舗内にタブレット端末を設置して注文をする「オーダーシステム」がある。店舗に設置するタブレット端末でのオーダーシステムは、導入コストがモバイルのオーダーシステムよりも高額になる上、設置する際の作業負担も大きいということだ。 コスト面や設置の負担を鑑みて、モバイルのオーダーシステムの採用を決めた飲食店もあるのが現状だ。