「石丸新党」の都議選挑戦は“消去法”の選択か…戦況を占うポイントは“候補者の顔ぶれ”と“カリスマ性の維持”
都民ファが石丸新党に参加!?
惨敗する可能性があるのなら、やはり石丸新党は悪手なのではないか──こう考えるのが普通だが、そうとも言い切れないという。 「今、石丸氏にとって最も必要なものは“橋頭堡”です。1人で国政選挙や首長選に挑戦しても仲間がいませんし、国政政党はコスパが悪い。ところが東京都を基盤とする地域政党なら高いコスパが期待できますし、最悪の場合、石丸さんと仲間1人の2議席でも充分です。表面的には惨敗に終わっても、石丸さんが都議になれば周りが放っておきません。マスコミは連日のように動向を報じるはずですし、大阪維新の会は必ず連携を呼びかけるでしょう。都議選の結果がどうであっても、石丸さんにスポットライトが当たる可能性は高いと考えられます」(同・井上氏) しかもネット上では「惨敗はあり得ない」という指摘が散見される。都民ファーストの会が退潮に苦しんでいることは先に触れた。つまり都民ファの都議が雪崩を打つようにして石丸新党に駆け込んでも不思議ではない。 石丸氏の消去法をベースにした選択は、少なくとも現時点では間違っていないというわけだ。しかしながら、それでも“惨敗”の内容は極めて重要だという。
敗北してもカリスマ性を維持できる秘策
「善戦の上で惨敗したのなら、石丸さんの支持層は揺らがないでしょう。石丸新党にとって最悪の結末は、支持者が納得できない選挙戦を展開して敗北した場合です。石丸新党が都議選で、どう戦うかを考えてみましょう。都知事選で石丸さんは“ふわっとした公約”を掲げ、“ふわっとした民意”を掴むことに成功しました。ただし、この手法は1回限りです。石丸新党は明確な公約を掲げて都議選に挑む必要がありますが、既存政党のような総花的な内容では有権者は失望するでしょう。国民民主党が103万円の壁撤廃を訴えて躍進したように、有権者に分かりやすい“ワンイシュー政治(単一論点政治)”を展開する必要があります」(同・井上氏) ちなみにSmart FLASHが国民民主党の代表、玉木雄一郎氏の交際問題についてスクープ記事を配信したのは11月11日。そして石丸氏が新党を発表したのが12日。井上氏は「石丸さんは、玉木さんの報道を意識した可能性がある」と指摘する。“第三極を担うのは玉木氏ではなく俺だ”と宣言したというわけだ。 いずれにしても、都民の有権者が「そうだ!」と熱狂するワンイシューを掲げて都議選を戦えば、たとえ獲得議席が期待を裏切ったとしても石丸氏の“カリスマ性”は保持される。一方、都議選で有権者の心を掴むことに失敗すると、石丸氏の“名声”が音を立てて崩れるかもしれない。 デイリー新潮編集部
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