フェラーリに乗って因縁をつけ

９月３日に警察署に入る斎藤智華容疑者

高級車でトラックを追跡したうえで因縁をつけ運転手の免許証を撮影し、不正作成したクレジットカードで商品を購入し詐欺罪に問われた野村祐貴被告（30＝逮捕時）の初公判が11月13日、東京地裁で開かれた。 【衝撃画像】「ボルトで傷ついた」…運転手に因縁の男女３人「免許証でクレカ偽造」戦慄の素顔写真 職業不詳・斎藤貴聡被告（32=逮捕時）、妻の智華被告（33=同）、夫婦の知人で神奈川県横浜市の派遣社員・野村被告の３容疑者は、リースしたフェラーリやランボルギーニなどの高級車にのり、高速道路でトラックを追跡したうえで因縁をつけて運転手の免許証を撮影。不正作成したクレジットカードで商品を購入したとして９月４日までに詐欺罪で逮捕されている。 『FRIDAY』は３容疑者が’24年９月３日に警察署に入る様子を撮影（’24年９月９日配信）。貴聡容疑者は報道陣に挑みかかるようにふてぶてしい視線を向け、智華容疑者は歯茎を見せ笑っているようにさえ見えた。その一方で、犯行を認めた野村容疑者はガックリと肩を落とし俯いていた。 起訴状によると野村被告は貴聡被告、智華被告と共謀し、高級車でトラックを追跡し、 「ボルトが飛んできて車体に当たり傷が付いた」 などと因縁をつけたという。そして、運転手の免許証を撮影し、その画像をもとにクレジットカードを不正作成。大阪府内の家電量販店でスマートフォンを購入した疑いが持たれている。犯人グループは110番通報し、警察官から当事者同士で話し合うよう促されたのをいいことに、連絡交換としてトラック運転手に免許証を提示させ、撮影していた。 「不正作成した免許証で銀行口座を開設し、クレジットカードを作成。そのクレジットカードも運転手名義で借りたアパートで受け取るなど用意周到に行っていました。警視庁犯罪収益対策課は９人分計34枚のクレジットカードを押収。計約4000万円分が不正使用されていたことがわかっています」（捜査関係者） ◆被告同士は大学時代からの主従関係 上下グレーのスウェット姿で出廷した野村被告は背を丸め、憔悴した様子で検察が読み上げる起訴事実を聞いていた。起訴内容について問われると無表情で「間違いないです」と認めた。 そんな野村被告と対照的に、逮捕時の画像を見ても貴聡被告は金髪で浅黒い肌にがっしりとした体格。智華被告はロングの金髪が印象だ。 「貴聡被告はボディビル大会にも出場し体を鍛えていました。智華被告とタワマンに住み、高級ブランドを身に着け高級車を乗り回していました。体格がよく高級ブランドを身に着けた貴聡被告から因縁をつけられたら運転手も威圧感を感じたことでしょう」（全国紙社会部記者） そんなイケイケ夫婦と、派遣社員として働く野村被告との関係はあまりにもアンバランスな印象を受ける。接点はどこにあったのか……。法廷で明らかになったのは、システム化された犯行手口、そして斎藤被告夫婦と野村被告のいびつな関係だ。 貴聡被告と野村被告は大学時代のカヌー部の先輩後輩だったという。なぜか智華被告が野村被告に連絡をし、貴聡被告と交流が再開。そして今回の詐欺に関わるようになった。 「野村被告は斎藤夫婦から決められた10～20％の報酬しかもらっていませんでした。貴聡被告と野村被告は大学時代から主従関係にあり、今回の誘いも断ることができず加担してしまったようです。卒業してしまえば関係性は切れてしまうものですが、今はSNSで簡単につながってしまいます。昔の関係がズルズルと続いてしまったのかもしれません」（全国紙司法担当記者） 貴聡被告は、恐怖で野村被告を支配していたのだろうか。最近、頻発している闇バイト事件でも、「断ったら殺されると思った」と供述する容疑者が少なくないが、このような形の犯罪グループが増えていることに不安が広がっている──。