大炎上した「挨拶しない自由」の議論が、10年後には「消滅する」と言えるワケ
コミュ力が無くても大丈夫
雇用制度のシフトを悪用するような企業は、社会全体として是正していく必要があるものの、良くも悪くも、スキルによって採用される社会となれば、雇用の流動性は必然的に高まってくる。そうなると、前述のように、それぞれの組織において社風に合った人材が集まってくるので、カルチャーギャップは大きな問題ではなくなってくる。 コミュニケーションが重要とされる職場において挨拶をしなかったり、ヘッドホンをしている社員はおそらく居づらくなってしまい、転職を余儀なくされるだろう。コミュ力が不足している人でも、専門職的に成果を上げれば良い企業に転職すれば、そういった悩みからは解放される。 同質性が強く求められ、組織は息苦しいが雇用は安定している社会がよいのか、自由度は高いものの、自身のキャリアは自身で構築しなければいけない社会のどちらがよいのか、真剣に考えていく必要があるだろう。
加谷 珪一