Galileo Galileiインタビュー「4人それぞれの人格っていうよりは、今はGalileo Galileiっていう人格として生きている感じ」
2016年の活動終了から6年の時を経て、2022年に再始動を果たしたGalileo Galileiが新たなアルバムを完成させた。今回はなんと2作同時リリース、トータル28曲というボリュームの作品だ。人間の“外づら”の部分を描いた『MANSTER』と、ニュートラルな自分を描いた『MANTRAL』。2作のアルバムには、バンドとしての進化と時間をかけて培ってきた“Galileo Galileiらしさ”が同居している。再始動から2年、今Galileo Galileiはどんなモードで音楽を作り続けているのか、そしてこの2作を携えて9月からスタートするツアー『Tour M』はどんなものになるのか。メンバー4人に聞いた。 【全ての画像】Galileo Galileiインタビューの模様 ――2022年に再始動をして、もうすぐ2年になります。現在Galileo Galileiとしてはどういうモードで進んでいるんですか? 尾崎雄貴(vo / g) バンドを再始動しようという話をしたタイミングで岩井君と話をしたのは、「Galileo Galilei」を再構築して、ファンとも人生を一緒に歩んでいけるものにしたいねということだったんです。それで作った『Bee and The Whales』は久しぶりに会えて「Galileo Galileiってこうだよね」という作品だったと思うんですけど、今回は本当にその後の話というか。だからこれが1歩目という感じで、そこで2歩踏んじゃった、みたいな(笑)。あまり気持ちが浮ついたりとか焦ったりとかというのは今は本当になくて。着実にバンドとして歩んでいくことが重要だというのを、今までの活動の中でも僕らは知っているので、そうできるようになっています。だから、生きている感がありますね。みんな生きているなと(笑)。 岩井郁人(g) 再構築する中で新しい遺伝子として真輝君が加入したわけですけど、今作は再構築できたGalileo Galileiの1歩目、2歩目なので。よりお互いの内面だったり、演奏のスキル、音楽性の好みとか、そういう部分でお互い踏み込めているなという感じがします。例えば真輝君の好きなアーティストだったりとか、俺が最近聴いているものだったりとか、お互いの生活や性格......そういうものがよりこの作品には反映されているんじゃないかなと思っているし、やっぱりバンドって冒険の旅だと思うんですけど、その冒険の旅を第0章だった『Bee and The Whales』から第1章、何なら2章の始まりぐらいまでの冒険の旅をこの2枚でしたなという感じがするんで、そのワクワクは聴いた人にも感じてもらえるようになっていると思っています。 岡崎真輝(b) 今回レコーディングした場所が前回とは違って、「芸術の森スタジオ」っていう山奥にあるスタジオで1週間ぐらい共に過ごしながらレコーディングをしたんです。前回の作品は「わんわんスタジオ」という自分たちのスタジオでレコーディングしたんですけど、それとはまたちょっと違う雰囲気のアルバムになったなと思います。そこでしか鳴らせない音が今回のアルバムには詰め込まれているなというのはすごく感じています。 ――前作と比べて、自分の好きな音や鳴らしたい音が出せた感じもありますか? 岡崎 そうですね。前作に関しては最初のアルバムというところもあって......そのときは自分の色を最大限に出していたつもりではあったんですけど、今回のアルバムのほうがより自分の個性を出せているのではないかなというのは感じています。 ――和樹君はどうですか? 尾崎和樹(ds) 今回アルバムを作っていて、終了以前のGalileo Galileiの空気感をちゃんと持っているなと感じていて。ある意味正当進化じゃないですけど、昔からずっと聴き続けてくれていたファンの人たちにも懐かしさと新しさを同時に感じるような進化を、今のGalileo Galileiが遂げているんじゃないかと。 ――本当そうですよね。もちろんすごく新鮮なGalileo Galileiもこの2枚のアルバムの中にいるんだけど、でも物語が続いている感じもあって。逆に言うとそれを表現しきるにはこのボリュームが必要だったのかなという気がします。 雄貴 それこそ和樹が言ったように、今回の作品って結果的にすごくGalileo Galileiらしいものになったんですけど、それってアルバムの制作の後半に、「これ、もしかしたら『PORTAL』とかの時代の感じがあるよね」っていう話になって。「それって何なんだろう」って話をしたんですよ。たぶん『PORTAL』以降、対外的なところというか、どう見られてるか、どう聴かれているかっていうのをすごく意識し始めてがらっと変わっていったんですけど、そこからファンに対して盲目的になったことによって、メンバー内でまた回せるようになった。この中で毎日が朝から晩まで回ってて、ひたすら楽曲のことと、「間に合うかな」ってこととか、お互い普通に好きなものについて話をしたりとか、そういうことに時間を費やせてるっていう状況が『PORTAL』のときにすごく近いなって思います。 ――外からの視点に左右されずに「ここでOKならOKでしょ」っていう感じでやれてるっていう。でも、似ているとはいえ『PORTAL』の頃よりはいろいろなことも知っただろうし、同じようでも違う部分もありますよね。 雄貴 そうですね。『PORTAL』ぐらいの頃だと、まだ確固たる自分というか、自分は自分として生きてるんだ、音楽をやってるんだっていうものがなかったから、外部の影響で結構変わりがちだったんですよ。引っ張られちゃうっていうか。それで遮断しようって言って遮断していたのが『PORTAL』の時期だったんですけど、今はオープンでも自分たちの世界はまったく変わらないっていうか。自分たちを強く持ててるんで、やっと「めっちゃミュージシャンやってるな、俺ら」って感じはすごくしてますね。