[プレミアリーグWEST]五輪選手からの助言を受けて「やるべきことに集中」。首位・大津が前節の連勝ストップから切り替え、帝京長岡に5発快勝!
[9.29 プレミアリーグWEST第16節 大津高 5-1 帝京長岡高 宇城市立ふれあいスポーツセンター] 【写真】「金髪美少女」「一段と可愛く…」「アカンやつ」元なでしこ岩渕真奈さんのモデル姿に称賛殺到 「やるべきことに集中」の首位・大津が、5発快勝――。29日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WESTは第16節2日目を行った。首位・大津高(熊本)と暫定で6位の帝京長岡高(新潟)との一戦は、大津が5-1で勝利。消化試合が1試合少ない2位・神戸U-18との勝ち点差を7とした。 大津は前節、広島ユースに0-1で敗れ、連勝が10でストップ。だが、連敗しないことを大事にしてきた首位チームはこの日、序盤の連続ゴールで難敵を突き放し、連敗しなかった。 ホームの大津は村上葵(2年)、DFは右SB野口悠真(3年)、CB五嶋夏生主将(3年)、U-17日本代表CB村上慶(2年)、左SB大神優斗(3年)の4バック、中盤は畑拓海(3年)がアンカーに入り、やや前方に位置するU-18日本代表MF嶋本悠大(3年、清水内定)とコンビ。右SH舛井悠悟(3年)、左SH溝口晃史(3年)、前線はシャドー気味に位置を取る兼松将(3年)とCFの山下景司(3年)。平岡和徳テクニカルアドバイザー(TD)から「チャレンジ」することを求められ、ホームゲームに臨んだ。 一方の帝京長岡は、ここ7試合で3勝3分1敗。前期、1-6で敗れていた大津とのリベンジマッチだった。先発はGKが小林脩晃(3年)でDFは右SB永井仁之(3年)、CB下田蒼太朗(3年)、CB山本圭晋(3年)、左SB池田遼(3年)の4バック。中盤は遠藤琉晟(3年)、香西大河(3年)、和食陽向(1年)、水川昌志(3年)で構成。前線に柳田夢輝(3年)とU-18日本代表FW安野匠(3年、仙台内定)が入った。立ち上がり、自陣深い位置から自信を持ってボールを繋いで前進。ハイサイドへ抜け出す安野を活用しながらゴールを目指した。 だが、大津は7分、舛井が右サイドを抜け出してラストパス。このこぼれを兼松が右足で狙う。帝京長岡はGK小林とDF陣が凌いだが、大津は続く右CKから先制点を奪う。8分、畑の右CKでニアの五嶋がDFを引き付けると、その後方から走り込んだ兼松が頭で豪快に決めて先制点。前日に平岡TDから直接指導されたセットプレーをゴールに結びつけた。 対する帝京長岡は遠藤が最終ラインへ落ちながらビルドアップ。だが、大津は鳥栖U-18、名古屋U-18、広島ユースと続いた戦いでDF3枚からのビルドアップに「耐性ができていた」(山城朋大監督)。出足の鋭い大津はパスの出どころとの距離を詰め、相手の苦しいパスを連続でインターセプトして見せる。その大津は15分、溝口が中央でインターセプトし、右足で追加点。その後も山下と兼松が前から制限を掛け、チームの“心臓”畑が相手の中央選手とスペースを上手く消していた。 加えて、この日の大津はアプローチの1歩2歩の深さで差を生み出していた印象だ。右サイドの快足MF舛井やSB野口のインターセプトから速攻を繰り出したほか、五嶋のロングフィードなどで山下や舛井がハイサイドへ抜け出して起点を作り、ゴール前へ持ち込んだ。 23分には中央の嶋本が右へ展開し、舛井のクロスを兼松が頭でこの日2点目のゴール。その後も嶋本がドリブルでゴール前へ潜り込もうとし、大神や野口、溝口のクロスなどゴールへ向かう姿勢を見せ続ける。そして、38分、迫力のある動きを続ける嶋本が相手のプレスをいなすと、最後はキックフェイントでDFのマークをずらし、その股間を狙った右足シュートで4-0とした。 大津は前半、シュート8本で4得点。後半には相手GK小林に阻まれたほか、精度を欠いたものの、17本ものシュートを放っている。この日の試合前、山城監督は「手数掛けすぎてたりとかしてたんで、そこをもう1回シュートで終わるってことを意識させたくて」シュートを打つことを特に強調。前節の広島ユース戦など今季、敗戦はシュート数が一桁で終わっていることから、重視して目指したことが、大量リードに結びついた。 一方の帝京長岡は連続失点で苦しい展開。だが、繋ぐことから逃げずに香西や遠藤、水川が味方をサポートし続ける。幾度か相手のプレッシングを攻略してサイドチェンジ。そこから攻撃を加速させた。また、ベンチからの「もう一歩!」の言葉に呼応し、守備強度が向上。ゴール前では各選手が良く味方を助けながら守っていた。その帝京長岡は45+1分、水川の縦パスで安野が一気に抜け出し、GKとの1対1からゴール。チームを勢いづけて、前半を終えた。 後半立ち上がりも帝京長岡が主導権。特に1年生MF和食がDF間で巧みにボールを引き出し、後半にはシュートまで持ち込むなど、首位チーム相手に力を発揮していた。左SB池田も果敢に攻め上がる帝京長岡は速いテンポでパスを繋ぎ、連動した崩しからシュート数を増加。だが、大津GK村上の好守に阻まれ、CB五嶋に抜け出しを阻止されるなど2点目を奪うことができない。 大津は16分に嶋本をMF福島京次(2年)へ交代。帝京長岡も山本、永井をCB椎名聖祈(3年)とMF和田陸(3年)へ入れ替えた。23分、大津は大神らの奪い返しから山下が抜け出し、トゥーキックでの右足シュートで5-1。得点ランキング首位・山下の今季15得点目で突き放した大津は33分に野口、兼松、舛井をCB松野秀亮(2年)、MF曽山瑚白(3年)、FW岩中翔大(3年)へ交代した。 左SBへ移った村上が長い距離をドリブルで運んでシュートを打ち込むなど貪欲に6点目を貪欲に狙う大津は、40分に溝口をMF松本昌大(3年)と交代。帝京長岡はアディショナルタイムに和食と和田をDF浅井隼大(3年)とFW冨岡洸仁(3年)へ交代した。帝京長岡は最後まで続けたが、5-1で大津が勝利。インターハイ3位の強敵に快勝した。 情報を意識しすぎず、自分たちのやるべきことに集中している。大津は今夏のインターハイで初戦敗退。プレミアリーグWESTで首位を快走したことで優勝候補に挙げられていたが、重圧を乗り越えることができなかった。その苦い経験もあり、チームはリーグ後半戦で一戦一戦に集中し、3勝1敗。地元出身の五輪選手の言葉が、自分たちを方向づけてくれたのだという。 大津高と同じ大津町に位置する大津町立大津中は、パリ五輪男子マラソン競技で自己新記録の2時間7分32秒で6位に入賞した赤崎暁(九電工)の出身校。9月はじめに同校で講演があり、大津高の体育科生徒も聴講して質問する機会をもらったのだという。 そこで五嶋が、「赤崎選手は本番で自己新記録を出されていましたけど、ここって時に力を発揮するためには何か方法がありますか」と質問。優勝を目指したインターハイで重圧を受けてしまい、力を出せずに敗れたことから、それを発揮するための術を訪ねた。それに対して赤崎は五輪前、SNSなどで自身に対して色々な声があったことを明かし、「もう何言われても、自分が練習で頑張ってきたことをやるだけ」「周りの情報は遮断して自分のやるべきことに集中することを僕は考えていた」と助言してくれたのだという。そのアドバイスを受け、自分たちも「やるべきことに集中するぞ」と過ごしてきた。 五嶋は「トップアスリートの方に1つそういうアドバイスも頂けたっていうのは、自分の中でも1つ大きかったことですし、そういう1位だからとか、勝ち点これだけ離れてるからとか、そういうところから隙は生まれてくると思ってたんで。自分にとっていいアドバイスになったと思う」とコメント。そして、「自分たちに集中しようってやっていく中で、ちょっとずつチームも良くなってきましたし、それは自分たちに集中しながらやれてるのかなっていう風には思います」。大津の歴史を変えるという思いが強いからこそ、そのためにやるべきことに取り組んでいる。 まずは残留を第一目標にスタートしたシーズンで、自分たちも驚く10連勝。前節の敗戦はさすがにダメージがあったようだが、選手間ミーティングやスタッフのサポートもあってしっかり次の試合に向かうことができた。目標を達成するためには今後も一日一日、一戦一戦が大事。五嶋は「1年生からプレミア出させてもらって、ラスト3年目で平岡先生や山城先生に恩返ししたいという気持ちが人一倍大きいつもりでいますし、優勝が目標ですけど、そこを見すぎず、一戦一戦頑張ることで、ちょっとずつ近づいていくのかなっていう風に思っています」。リーグ戦はあと7試合。これまでリーグ最高成績が4位で、全国タイトルも無い大津は、自分たちがやるべきことを徹底して、歴史を塗り替える。
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