メタのARグラス「Orion」がヤバすぎる。生成AI×メタバースで何が変わるのか?
メタの次世代ARグラス「Orion」とは?
メタが2024年9月のMeta Connectで公開した次世代ARグラス「Orion」は、同社が「これまでに作られた中で最も高度なARグラス」と自負する野心作だ。コードネーム「Project Nazare」として開発されてきたこの製品は、通常のメガネの外観と装着感を維持しつつ、ARの没入型機能を融合させている。 Orionの最大の特徴は、大型のホログラフィックディスプレイを搭載しながら、軽量で場所を選ばず使用できる点にある。ユーザーは物理的な世界を背景に、2Dおよび3Dコンテンツを自由に配置できる。また、周囲の状況を感知/理解できる文脈的AIを統合しており、ユーザーのニーズを先回りして対応することも可能だ。 ディスプレイ性能も注目に値する。Orionは、最小サイズのARグラスで最大の視野角を実現。この広い視野角により、マルチタスクウィンドウや大画面エンターテインメント、等身大の人物ホログラムなどを実現しており、真に没入感のあるユースケースが可能になると期待される。 操作に関する技術にも関心が集まる。Orionの操作において、リストバンド型デバイスを介してユーザーの電気活動を利用する神経インターフェース操作が採用された。高度な直感性によりグラスを制御できる可能性が開かれたことになる。 ソフトウェア面では、メタの人工知能アシスタント「Meta AI」がOrion上で動作する。このAIは、ユーザーが物理的な世界で見ているものを理解し、文脈を判断することができる。たとえば、冷蔵庫を開けて中身に基づいてレシピを尋ねたり、皿洗いをしながらビデオ通話で友人と会話しつつ、スケジュールを調整するなどが可能になるという。 しかし、Orionはまだコンシューマー市場にリリースできる段階ではない。デバイスの製造コストは約1万ドルに達し、消費者向け製品としては程遠い状態にある。メタは、OrionをARグラスの未来を垣間見せるプロトタイプとして位置付けつつ、メタバース取り組みを進める方針だ。今後数年で、この研究開発の成果を生かした新デバイスの登場が期待される。