「赤ちゃんの命にかかわる」妊婦のリンゴ病感染 入院、治療した母親の思い 「検査して」医師に伝えた理由
妊娠「続けられるか」不安も
保育園に通う上の子の世話をしなくてはならない中、家庭の事情でワンオペ育児になることが多かったという女性。治療や移動の費用もかさみます。高額療養費の制度があるとはいえ、その申請をするのも自分です。 「誰も助けてくれない」「自分ががんばらなくては」そう自分を奮い立たせて、家事・育児と治療を両立させたそうですが、「通院や入院の時間的、経済的な負担は大きかった」と振り返ります。 「当時の記憶は断片的にしかありません。赤ちゃんはどうなるのか、こんな生活や妊娠自体も続けられるのか、不安を抱えながら、いつも病院に向かっていました」 1回の胎児輸血では改善せず、2回目の胎児輸血をしました。輸血の度に気分が悪くなり、強い吐き気が出るなど、治療の母体への影響もあったそうです。 その後、幸いにも胎児の貧血は改善し、病院では定期的な経過観察をすることになりました。「医師にもこれ以上は無理だと伝えていたのでホッとしました」と当時の心境を明かします。 女性はその後、健診を受けていた産院に戻って、無事に出産しました。産まれた子どもは、今では感染の影響もなく、元気に過ごしているといいます。 もし、あのとき「検査して」と医師に強く訴えなかったら、原因がわからないまま、流産、死産になっていたかもしれない――。女性はそう危惧しています。 この女性は過去に事務所に所属し、モデル業をしていました。そのため、読者の多い自身のブログに一連の出来事をつづって話題になりました。 それから5年、「今は元気に生活していることを知ってほしい」と、SNSには積極的に2人の子どもの写真を投稿しています。 女性によると「今でも時々、治療のことについて質問するメッセージをもらいます」。 「自分の時はとにかく情報が少なすぎました。ちょっとでも同じ境遇の女性の助けになればうれしいです」