恩師と共闘する若き指揮官は「丁寧な人」。大津高校・山城朋大監督が「4年目の終わり」と「5年目の始まり」に書き記したい未来予想図 高円宮杯プレミアリーグWEST 東福岡高校×大津高校マッチレビュー
終盤戦に差し掛かりつつあるプレミアリーグも、残りは4試合。次戦で2位・ヴィッセル神戸U-18と激突する大一番を終えると、すぐに選手権予選が始まり、そこで思うような結果を手繰り寄せることができれば、そこからは2つの日本一を目指す戦いへと突入していく。山城監督は携える確かな覚悟を、明瞭な声のトーンと、はっきりとした口調で語る。
「たとえば中間考査がある次の日に受験があるとか、プレミアの試合があるとか、そういうふうになっても『全部やれ』ということは常に言っています。だからプレミアと選手権を考えた時に、どっちが大事かとは比べられないもので、『全部獲りたい』『全試合勝ちたい』と考えていますし、もしその2つを獲れなくても、それはそれで選手の成長には繋がると思います」
「今のチームでは試合に出ている選手だけではなくて、出られていない選手も含めて1年間積み上がってきているものがあるので、最後の最後で一伸びする選手を僕らも見極めたいなと思っていますし、この10月から12月の選手が一番いろいろな経験をしながら伸びる期間を足止めしないように、最後の最後で伸び悩むことがないように、どうにか加速させていきたいなと。プレミアリーグでは恵まれた環境で優勝争いができているので、彼らの高いモチベーションをどうにか利用しながら、この2か月間でも頑張りどころを選ばずに、すべてのことを全力でブレずにやっていけたらなと思っています」
“丁寧な人”が記し続けてきた『5年日記』。その「4年目の終わり」に当たる今年の12月と、「5年目の始まり」となる来年の1月には、果たしてどんな日々が書き加えられていくのだろうか。情熱の指揮官と経験豊富な名伯楽に率いられ、全国二冠を堂々と目指す2024年の大津が繰り広げてきた冒険は、いよいよここからが今まで以上にシビアで、今まで以上に面白い。
土屋 雅史
【関連記事】
- 半年ぶりのゴールに滲ませた「レイソルの10番」の矜持。柏レイソルU-18・戸田晶斗が“最後の2か月”で期すのは支えてくれたみんなへの恩返し【NEXT TEENS FILE.】
- 残留を懸けたサバイバルマッチ!11位対9位のシックスポインター! 市立船橋高校×尚志高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグ EAST 第19節】
- 勝利しか許されない90分間を支えたのは3年生の意地と執念。太陽王子が背水の陣で掴んだ勝点3の価値 高円宮杯プレミアリーグEAST 柏レイソルU-18×横浜FCユースマッチレビュー
- 見えてきた首位の背中!8連勝を狙う神戸が好調鳥栖をいぶきの森で迎え撃つ! ヴィッセル神戸U-18×サガン鳥栖U-18マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第18節】
- いつも笑顔を絶やさない圧倒的ムードメーカー。川崎フロンターレU-18・齊名優太がこのチームにいる価値 高円宮杯プレミアリーグEAST 横浜FCユース×川崎フロンターレU-18マッチレビュー