「これ、春奈ちゃんだよね?」“同人ビデオ”に出演した20代女性が語る恐怖の実態
元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。 ⇒【写真】元セクシー女優で、現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
同人ビデオと適正ビデオの違い
正規団体による審査を受けてから流通するのが「適正ビデオ」、その反対が「同人ビデオ」だ。同人はいい意味での手作り感や演者の素人っぽさ、低価格での販売などが魅力のひとつと言われている。 同人=非公式ではあるが、正規品でないながらも2018年以降に流行が爆発。現在も多数の個人運営サイトが展開され、事務所に所属しない本気の素人が出演を繰り返している。 適正ビデオに比べると遥かに挑戦のハードルが低いものの、手軽さゆえに大きな落とし穴が潜むのだから、非常に怖いところだ。かつての出演者は「後悔しかありませんよ」「目先のお金に捉われて出なければよかった」と嘆きの声を挙げているが、実際はどうなのだろうか。実際に同人ビデオに出演したことがある春奈さん(仮名・20代)のインタビューと併せて解説していこう。
出演者の後悔、同人ビデオの闇
世の中の人は出演に対し「金をもらったんだから文句言うな」「自分で決めたことなんでしょ? 自己責任じゃん」などと、シビアな意見を放つだろうし、実際に筆者もそういう考えを持たないわけではない。 しかし、春奈さんによると“非正規品”の世界は随分とずさんなものであり、話を聞いてこちらも少々胸が苦しくなった。 春奈さんがビデオへの出演を決めたのは「お金がほしかったから」と、“よくある志望動機”の中でトップ3を争うレベルの理由である。当時はお金に困っていて、今すぐにでも収入を得たかったため、知人を通じたスカウトマンに連絡。その後は1週間もしないくらいのスピードで現場に入ったらしい。 「その時はお金がほしかったので、先のことは全く考えませんでした。条件は1回3時間拘束で、ギャラは8万円です。内容は……まぁ普通のビデオと似たようなものですよ。ナンパして家に連れていかれるみたいな。メイクさんはおらず、衣装なども全て自前です」 3時間で8万円もらえる仕事と聞くとかなりの高給取りに思えるが、条件は「衛生器具の着用はなし+ノーモザイク」とのこと。この時点でもう、値段とは到底見合わないリスクが潜んでいた。 男優、女優、スタッフ1人と非常にコンパクトな現場で撮影を進め、すべての工程が完了すると春奈さんは現金8万円を手渡しで受け取った(消費税、源泉徴収による天引きはなし)。 撮影から数か月後、運営者から配信開始のお知らせも、売れ行きに関する報告も何もなかったが、彼女は気にしない。即日即金であるなら、またビデオに出ようとさえ思っていた。