日銀・黒田総裁会見3月16日(全文1)新型コロナの影響踏まえ、金融緩和を強化
前倒しで実施した効果はあるのか
時事通信社:時事通信社の【カワムラ 00:13:51】です。関連して2つほどお伺いしたいんですけれども。まず今回、前倒しで、今、狙いについて総裁のほうからお話がありましたけれども、マーケットの反応を見ると、例えば株が400円以上、また今日も落ちたり、前倒し、2日待たずに前倒しで実施してまでやった効果があるのかというところについての総裁のお考えをお聞きしたいのと、もう1つ、今回のコロナウイルスの話はリーマンショックなんかとは違って、金融の話じゃないということは散々いわれていると思うんですが、金融政策を打つことによって何がしの影響を食い止めて効果があるというふうに総裁はお考えなのでしょうか。 黒田:これは各国の中央銀行ともさまざまな努力、工夫を凝らしておられまして、金融政策決定会合を緊急招集してやっているところもありますし、そうでないところもある。それからまた、行っている手段、方法もそれぞれ違っているわけですが、いずれもやはり基本的に、コロナウイルスの感染拡大自体は一時的であったとしても、それからリーマンショックと違って、金融のバブルが崩壊して金融機関がいろいろ大きく傷んでいたという状況とは違うとはいえ、やはり一時的にせよ需要が減少し、あるいは生産が減少するということがあると、やはり企業の資金繰りとか、あるいはマーケットの機能とか、そういう面で問題が出てくるわけですので、やはりそれにできるだけ早期に必要な、十分なだけの対応をするということはそれぞれの中央銀行も行っておられますし、また、日本銀行も行ったということであります。
経済の影響を最小限にする効果はある
ですからリーマンショックと違うということはそのとおりなんですね。リーマンショックはあくまでも金融のバブルが崩壊して、特に欧米の金融機関が危機的な状況になったということです。今回はコロナウイルスという感染症が中国から世界に広がっていって、それが消費需要とか、あるいは生産に大きな影響を与えている。だからそれは確かにそれぞれの地域では一時的かもしれないけども、やはりそれが生産や消費の減退を通じて企業とか金融機関に影響を与えうるわけですので、そういうことがないように、最大限の努力を中央銀行と【****** 00:17:11】としてすると。 他方、もちろん政府は、1つはコロナウイルスをできるだけ早期に終息させるという意味と、それから政府としてさまざまな財政措置で経済の落ち込みを防ぐということもあろうと思いますけども、中央銀行は中央銀行としてやっぱり役割もあるし、それはコロナウイルス、感染症拡大による経済の影響を最小限にするという効果はあるというふうに思っています。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見3月16日 全文2へ続く