日銀・黒田総裁会見3月16日(全文1)新型コロナの影響踏まえ、金融緩和を強化
日程を前倒しして実施した理由は?
NHK:もう1点、お願いいたします。本日は、新日銀法の下では日程を初めて前倒しをして決定会合を実施されました。前倒しをして開催した狙いについてです。今月3日にはFRB、あるいはその後、イングランド銀行、ECBが相次いで政策対応に乗り出しております。国内でも日本政府が第1段、第2段と緊急の対応策をまとめております。日銀が日程を前倒しして実施したというのは、こういう各国中銀、あるいは政府と足並みをそろえる協調の意味が強いのか、それとも、もう水曜日・木曜日の通常会合の日程を待ってられない、それぐらい切迫した市場の動揺等々があるからと判断したのか、どのような理由からでしょうか。 黒田:先ほど来申し上げていますように、この新型コロナウイルス感染症が今や世界中に拡大するということで、世界経済の不透明感が急速に高まっている。そうした中で、内外金融資本市場では不安定な動きが続いているわけであります。こういった状況を踏まえまして日本銀行としては、新型コロナウイルス感染症拡大がわが国の経済金融行政に与える影響を点検した上で、やはり本年度末を含め、企業金融の円滑確保と、金融市場の安定維持に万全を期すために、金融政策面から必要な措置を早急に検討して実施していくことが必要だというふうに判断をいたしまして、こうした対応は国民心理の安定や金融市場の安定を確保する上でも重要であるというふうに思います。こういうふうに考えた上で、18、19日の予定を前倒しして本日の時間に変更して行ったということであります。 もとよりそれぞれの国の金融政策というのはそれぞれの国の経済金融情勢に応じて行っているわけですけども、他方で新型コロナウイルスの感染症が世界的に拡大して、世界経済あるいは国際金融資本市場全体に影響を及ぼしているわけでして、こうした下で各国の政府、中央銀行はさまざまな対応を行っておりますし、またその中で、例えばG7の財務大臣、中央銀行総裁会議の声明などにもあるように、協調、協力を進めていくと。ですから今回の対応も、そういった世界的なというか、主要国の協調の枠組みの中で行われたということであります。 NHK:ありがとうございました。各社お願いいたします。