日銀・黒田総裁会見3月16日(全文1)新型コロナの影響踏まえ、金融緩和を強化
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の16日午後、記者会見を行った。当初、会合は18、19日に開く予定だったが、前倒しした。 【動画】新型コロナ対応で追加の金融緩和 日銀・黒田総裁が会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「新型コロナ対応で追加の金融緩和 日銀・黒田総裁が会見(2020年3月16日)」に対応しております。 ◇ ◇
円資金のいっそう潤沢な供給に努める
NHK:それでは会見を始めたいと思います。本日、幹事社はNHKの【オオクボ 00:00:22】と申します。よろしくお願いいたします。では、日程を前倒しして本日開催となりました金融政策決定会合の本日の決定内容についてご説明お願いいたします。 黒田:日本銀行は本日の決定会合におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、金融緩和の強化を決定しました。具体的には、第1に、当面、積極的な国債買い入れなどにより円資金のいっそう潤沢な供給に努めるほか、6中銀で協調して米ドル資金の流動性供給にも万全を期す方針であります。第2に、企業金融を支援するために新たなオペを導入したほか、CP、社債等に追加買い入れ枠を合計2兆円設け、それぞれ約3.2兆円、約4.2兆円の残高を上限に買い入れを実施することとしました。さらに第3に、ETF、J-REITの資産買い入れを、当面、これまでの約2倍のペース、すなわちそれぞれ年間約12兆円、年間約1800億円に相当する残高増加ペースを上限に積極的な買い入れを行うこととしました。これらの措置は全員一致で決定しました。 今回の決定の背景ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響により世界経済の不透明感が高まり、内外金融資本市場では不安定な動きが続いています。こうした下で、わが国の景気はこのところ弱い動きとなっています。金融環境も、中小企業の資金繰りなど企業金融の一部で緩和度合いが低下しています。こうした情勢を踏まえ、企業金融の円滑確保に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持し、企業や家計のコンフィデンス悪化を防止する観点から今回の措置を決定したものです。