「フレーミング技術」の概要と意図をNPB審判員へ直訴…アマチュアコーチのプロ春季キャンプ奮闘記
フレーミングとは審判を欺く技術ではなく、審判がジャッジしやすくするためのアプローチである。確かにミットが流されなければジャッジがしやすいというメリットがあるようだが、一方で「審判はゾーンを通過したボールしか見ていないので、キャッチングはジャッジに影響しない」という意見も多い。 野球のルールではストライクゾーンはホームベース上にしか存在せず、そこを通過したかどうかで判断される。そうなるとキャッチングは確かにジャッジに影響を及ぼさないはずだ。 「もちろん、ルール上はそうです。ただ審判の皆さんは頭を動かさず、目だけでボールを追う“トラッキングアイ”の練習をしています。 そこではでリリースから捕球までを見届けることが大切になるので、捕球の仕方もジャッジに影響を及ぼすと、今回のキャンプで確証を得ましたし、審判の方からも『捕球時のミットが(審判から)見えないとストライクとコールしづらい』という意見も聞かれました」 審判団からは「フレーミングはどういう技術か理解できました。世の中には間違った認識で練習して、取り組んでいる人がいる。正しいアプローチであるなら、12球団すべてに取り組んでほしいと思うし、緑川さんにももっと世の中に発信してほしい」とまで言われたという。 フレーミング技術が向上し、その概要や意図が広く知られるようになれば、キャッチャー対審判という対立構図もひとまずは決着がつきそうだ。ストライクがボールと判定されず、キャッチャーと審判の技術も向上する。そんな関係の始まりに、今、日本の野球界は立っているのかもしれない。その先陣を、一人のアマチュアコーチが切り開いた。 取材・文:高橋ダイスケ
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