賛否両論も「吉」と出た岡田監督の大ナタ 佐藤輝の懲罰2軍落ちがもたらした副産物 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
今の岡田阪神は、サトテルの懲罰2軍落ちショックをものともしないチームといえますね。岡田彰布監督(66)は2-4で敗れた14日の中日戦(豊橋)の八回、手痛い失策を犯した佐藤輝明内野手(25)を即刻2軍に落としました。ドラフト1位入団でプロ入り以降、3年連続の20本塁打を記録している中軸打者の懲罰2軍落ちはチームに大きな動揺を与えたはずですが、そこから5試合は4勝1敗の好成績。賛否両論の〝大ナタ〟は今のところ「吉」と出ています。しかし、残り100試合はどうするのか…。佐藤輝には自身のプロ野球人生のためにも、奮起を期待したいですね。 【写真】送りバントを処理した捕手・坂本からの送球を捕球できず、呆然とする阪神の佐藤輝 ■失策から逆転負け あくまでも、すぐ近くでグラウンドを見た印象ですが、「ピリピリ」「真っ暗」「誰かの顔色をうかがっている」-。そんな感じを強く受けました。15日の中日戦(バンテリン)の試合前、練習を始めた阪神のコーチや選手たちの表情や姿を見て感じ取った印象です。 前日の14日、阪神は豊橋で行われた中日戦に2-4で敗れました。2-1とリードして迎えた八回、先発の村上が先頭の岡林に二塁打を浴び、続く田中は送りバント。目の前に転がった打球を処理した捕手・坂本は三塁へ送球しました。やや低い送球でしたが、タッチプレーですから、滑り込む足にグラブを当てるには適切な位置でした。ところがタッチを焦ったのか佐藤輝が捕球できず、一死一塁となるはずが、無死一、三塁に…。そこから逆転を許し、敗れたわけです。 試合終了後、岡田監督は「うまいことな、バントで(アウトに)いけたと思うたけどな。あれで終わりよ。お~ん」と勝負を分けたシーンを振り返りました。報道陣から「当たり前のことを普通にやることが大事か」と問われると、「もうええ、ええ、それは。キャッチボールやからな」と続けました。堪忍袋の緒が切れた…とはこのような表情のことで、そのままバスで名古屋の宿舎に移動すると即刻、佐藤輝の2軍落ちが決まりました。 佐藤輝は翌15日の早朝に帰阪し、ファームに合流。「あれは捕らないといけない。僕のミスです」と反省し、守備練習に汗を流しましたが、佐藤輝が抜けて渡辺が昇格してきたチームからは冒頭のような雰囲気を強く感じたのです。