【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第21ステージ】ポガチャルが独占した3週間が、華やかに幕を下ろす。「ファンタスティックなジロだった。すべてが素晴らしい経験だった」
そしてラスト2kmまでプロトン先頭でピンクジャージを存分に見せつけたポガチャルは、首位と同タイムの74位(21日間で最も低い順位!)で、まさに完璧だった大会を終えた。山頂フィニッシュ4勝、登坂タイムトライアル1勝、難関山岳ステージ1勝。総合2位以下とのタイム差9分56秒は、戦後4番目に大きな数字だった。総合2位ダニエル・マルティネスと3位トーマスを含む直接的ライバルから、ボーナスタイム以外で秒を失うことは、3週間通して1日たりともなかった。
初日マリア・ローザこそほんのわずかの差で逃したが、2日目に希望通り身にまとって以来、とうとう最終日まで頑なに脱がなかった。初出場ツールからの2連覇に続き、初出場ジロでもあっさりと総合優勝を獲得し、グランツール出場6回にして総合3勝目。言うまでもなく、残る3回も、ことごとく表彰台乗りを実現している。しかもツール2連覇時と同じ様に、総合リーダージャージだけでは飽き足らず、山岳ジャージさえも我が物とした。
「今大会の僕が、現時点での『ベストバージョン』かって?うーん、そうかもね。間違いなく、今年、僕は新たなステップを上った。毎年成長を重ねることがどんどん難しくなって行く中で、幸運にも昨冬、僕は改良の余地を見つけられた。小さな収穫を得たんだ。それが嬉しかったし、僕にとってはすごく大切なことだった。もちろん僕はまだまだ成長過程だし、年齢を重ね、すべてが収まるべきところに収まり、さらに経験も大いに活かせるようになってきている」(ポガチャル、第20ステージ記者会見より)
チーム名がUAEになってから初のジロ覇者として、スロベニア史上2人目のマリア・ローザとして、あと数日は、ポガチャルもばら色の祝祭を楽しむのだろう。ただし、すぐに、黄色い目標へと視線を切り替える。1998年以来26年ぶりのジロ&ツール同一シーズン制覇へ向けて、走り出さねばならない。ツール・ド・フランスは、35日後に開幕する。 文:宮本あさか
宮本 あさか
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