「ファミリア」にハマる大人が増加中 雑貨の売上が子ども服に並ぶ勢い
「雑貨」が人気、子ども服に並ぶ売上に
顧客層の変化から、ファミリアでは「子ども用アイテム」に限らず、大人が日常使いするための購入やギフト需要が高まっているという。以前までは、妊娠期から2歳までの子どもがいる家庭か、同社の強みである子ども服の対象サイズとなる130cmまでの子を持つ親が主な顧客層だったのに対し、近年では9歳以上の子を持つ親や子どものいない会員の割合が全体の半数を占めるほどに拡大。子どものみを対象としていない、いわゆる大人に向けたバッグやハンカチ、文具などの雑貨は、ファミリアの主力カテゴリーでもある子ども服に匹敵する売上を上げているという。 ファミリアでは昨今、渋谷ヒカリエやグランスタ東京といった首都圏で、通勤通学などで行き交う20~30代をターゲットに、雑貨アイテムを揃えたポップアップを積極的に開催。今年3月には、大阪のルクアイーレに、子ども服を取り扱わないギフトに特化した大人向けライフスタイルショップをオープンするなど、大人向けの施策に力を入れている。こうした取り組みが、20~30代の新たな顧客との接点となり、新規層の流入につながっているという。なお、神戸発祥のブランドということもあり、特に関西エリアでは学生から大人の女性まで、ファミリア雑貨を日常のコーディネートに取り入れる姿が多く見られると担当者は話す。
「懐かしい&かわいい」が広い世代にヒット
一般的に「大人世代向け」というと、少しデザインを落ち着かせようとするブランドも多いが、ファミリアの大人向け商品や大人ウケの良い商品は特に狙って「大人しく」してはいない点も特徴。ブランドのアイコンでもあるクマのキャラクターがあしらわれたバッグやタオルなどは可愛らしいデザインや色合いながら、高級志向の仕立てで大人も手に取りやすい。 創業以来、アイテムのラインナップなどは多様化しつつも、ものづくりの精神やデザインの軸には変わらない「ファミリアらしさ」があると担当者。親子孫の3世代で利用されるケースも多く、「自分が子どもの頃に愛用していたから」「なつかしい」といった声も多いことから、馴染みのあるデザインの安心感が愛される理由だと分析する。 同社では、今後も「子どもの可能性をクリエイトする」という企業理念を体現する幅広いライフスタイル提案を目指すとし、新たなブランドとのコラボや新業態の展開に力を入れていくという。