【詳説】きらぼしFG「オープンイノベーション」、有力企業との連携が加速「提案ピッチ」とは?
東京きらぼしフィナンシャルグループ(以後きらぼしグループ)はデジタルの取り組みに注力している金融グループの1つだ。金融機関のデジタル戦略に欠かせないのがオープンイノベーションなど外部連携だが、他の業種やスタートアップとは企業文化の違いもあり、成果を出すことが容易ではない。そこで本稿では同グループの「中期経営計画に沿った協業プラン」について提案するという形式で行われた「ピッチイベント」を紹介する。フィンテックのコミュニティのFINOLABと連携により、スタートアップ発掘を目的とするイベントとは一線を画したイベントの開催経緯や内容、背景にあるグループのデジタル戦略を解説する。 【詳細な図や写真】UI銀行のBaaS施策(出典:中期経営計画(2024~2026年度))
好調、きらぼしGの中期経営計画におけるデジタル戦略の中身
きらぼしグループは2022年1月に開業したデジタルバンクであるUI銀行や、給与前払サービス、ウォレットサービスを展開するきらぼしテックを擁するなど、「デジタル」に注力している金融グループの1つだ。 この8月には、関西電力に「ゼロカーボン社会の実現に向けた新たなデジタル金融サービス事業」を提供することを発表、今後UI銀行が担う預金・決済・送金などの銀行機能を、BaaS(Banking as a Service)として提供する予定という。 中期経営計画(2024~2026年度)においてきらぼしグループはデジタル戦略に重点を置いており、「顧客ニーズに沿ったデジタル/リアル、金融/非金融が融合した総合サービスの提供」を前面に、「リアル拠点やイベントを活用して、デジタルサービス(UI銀行・きらぼしテック)へ取引移行」を図っていく方針を打ち出している。 さらに、デジタル戦略の一環として前述のような、「BaaSによって金融/非金融が一体となった社会的課題解決に資する総合サービス」を展開していくことにも重点的に取り組んでいくとしている。 こうした中期経営計画の内容と具体的な戦略を実現する上で欠かせないのが、「提案ピッチ」など、オープンイノベーションの取り組みだ。きらぼしグループのデジタル戦略を実現するための施策についてその一部をみてみよう。