【除夜の鐘】なぜ108回鳴らす? 思っていた以上に古い歴史と風習に込められた意味とは?
「除夜の鐘」108回つく理由
人の煩悩は108回あり、除夜の鐘を1回つくことで1つの煩悩が取り払われると言われ、すべての煩悩を取り除くために108回鐘をつくと言われています。感覚や意識を生じさせ、迷いを起こさせるのは眼・耳・鼻・舌・身・意と6つあり、これを「六根(ろっこん)」と言います。六根は好(こう)、悪(あく)、平(へい)の3つの感情に分けられ、それぞれがけがれにそめられる染(せん)とそめられない浄(じょう)の2つに、染・浄の感情も過去、現在、未来の3つに分けられると考えられています。そのため、6×3×2×3を計算すると108になり、人には108の煩悩があることに考えられているのです。 除夜の鐘は大晦日に108回つくのではなく、107回は大晦日のうちに、最後の108回目は年が明けてからつくのが正式な方法です。ただ、108回には“たくさん”という意味もあり、108回に限らずたくさんつく場合もあるようです。また、108回つく理由として、1年に12カ月、二十四節気、七十二候があり、これらをすべて足すと108になることから暦に由来しているという説や、四苦八苦を語呂合わせで4×9と8×9を足すと108になるからという説もあるようです。 除夜の鐘は自分でつかなくても、音を聞くだけで煩悩から解き放たれる効果があるとされています。テレビの画面越しでもいいので、2025年を除夜の鐘の音と共に迎えてみるといいかもしれません。
水浦裕美