「ヌンチャクを持参して取引現場に…」“紀州のドン・ファン殺人公判”須藤早貴(28)に“氷砂糖”を「3グラム15万円で売った」サングラス密売人が明かす覚醒剤取引のリアル
「氷砂糖を3グラム、和歌山まで持ってきて」
Bはその当時、ネット掲示板の「裏2ちゃんねる」で、「アイスマン」「アイスクリーム」「薬剤師」などのハンドルネームを使い分け、以下のような釣り針を垂らしていた。 〈鮮度のいい氷、野菜あります。全国対応可〉 氷は覚醒剤、野菜は大麻の隠語として使われるが、氷砂糖を売っていたとするBは「それをどう受け取るかは客次第」と開き直った。 「量は0.3、0.5、1.0。単位はグラム。値段は0.3が8000円から1万円、0.5が1.5万円、1.0が2.8万円くらい。連絡先としてトバシの携帯の番号を載せていた」(Bの証言内容より) 須藤が使っていた携帯電話からBの携帯に着信があったのは、2018年4月7日午後7時過ぎのことだった。 「『サイトを見ました』という若い女の声で、氷砂糖を3グラム、和歌山まで持ってきてほしいと。郵送を提案したが、それじゃダメだ、今日中に持ってきてくれと言うので、配達料や運転手の人件費も込みで、3グラム15万円で取引することにした」(同前) 大阪市内にいたBは、車を持っている友人を呼び出し、市内の自分の自宅から“氷砂糖”が入ったパケ入りの封筒を当時の交際相手に取って来させると、待ち合わせ場所に指定された和歌山県田辺市へ向かった。仲間のAも同行する。 「値段を釣り上げたが値切られたり、しぶられたりすることはなかったので、ラッキーと思った。でも、女の注文は初めてで、『ダンナにバレるから早くして』と急かしてくるし、なんか怪しいなと。ギャングのタタキ(強盗)かもしれないので、用心のためヌンチャクを持っていった」(同前) 高速道路を飛ばし、田辺市内のコンビニに到着したのは、日付が変わった4月8日の午前0時過ぎ。AとBは、客と連絡を取り合う者と受け渡しをする者で役割分担をし、儲けは折半にしていたという。この日はBが注文を受けたため、“氷砂糖”の受け渡しを担当したのはAだ。 「着いたと連絡した時、コンビニの方から通話しながら歩いてくる若い女が見えた。Aが車を降り、俺はギャングを警戒して2人が歩いていった道を車で素通りした。Aから『終わったよ』と連絡があったので、客の女に電話をし、いくら払ったかと確認した。女は15万円だと。確認したのは、以前Aが配達の時にその場で客と交渉し、値段を釣り上げて無断で上乗せ分を取っていたことがあるから」(同前)
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