「ヌンチャクを持参して取引現場に…」“紀州のドン・ファン殺人公判”須藤早貴(28)に“氷砂糖”を「3グラム15万円で売った」サングラス密売人が明かす覚醒剤取引のリアル
「そもそもシャブなんて飲めないって!」
パートナーとはいえ、油断ならない売人同士の関係を明かしたBは、言葉の端々に、これまでの警察や検察の取り調べに対する不満もにじませた。過去に作成した供述調書の内容を訊かれた際は、「(検察)事務官の分際で『1万も2万もする氷砂糖なんてあるわけないだろう!』と怒鳴ってきた」と吐き捨てた。続く弁護側の尋問でも、当時自分が売っていたのは氷砂糖だったと強調。 「氷砂糖は思ったより硬いので、地面に叩きつけたり、ボウルに入れて鉄製のヌンチャクのケツで砕いたりした」(同前) 法廷の空気が凍り付いたのは、検察側からの再尋問の途中、Bがいら立つようにこう発言した時だ。 「検事さんにも言ったじゃん。そもそもシャブなんて飲めないって! オレ、舐めたことあるけどさ。無理だって!」 野崎氏の死因は、多量の覚醒剤摂取による急性覚醒剤中毒。第6回公判では、野崎氏の遺体を解剖した県立医科大教授が、胃の内容物の覚醒剤濃度などから「経口摂取」したことによる中毒と証言している。Bは唐突に、経口摂取の可能性を否定するような不規則発言をしたのだ。被告の自供、目撃者、直接証拠がない中、野崎氏がどのように覚醒剤を摂取したのかは分かっていないが、検察側は冒頭陳述で、覚醒剤をカプセルに入れて服用させた可能性に言及。それが可能だったのは須藤しかいないとしている。 28人目となったBの証人尋問をもって検察側の立証は終了。 「公判の争点は、事件性と犯人性の2つ。野崎氏の死は殺人事件だったのか、だとすれば犯人は須藤なのか。推定無罪の原則を盾に争う弁護側は、その2点を揺るがすべく、被告人質問で、野崎氏が死んだ日の須藤の行動など詳細を明らかにしていくものとみられます」(前出・司法担当記者) 11月8日からは、いよいよ須藤本人の被告人質問が始まる。
「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル
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