京都府

　舞妓（まいこ）を目指す女性の多くは中学卒業後、置屋に入り、行儀作法や京ことば、舞踊などを身に付ける。デビュー直前の数週間は見習いとして先輩らとお座敷に出て、立ち居振る舞いを学んでいく。 【写真】舞妓デビューを控え、半だらの帯を締めた満彩矢さん

　見習いは、舞妓の「だらりの帯」より短い「半だら」と呼ばれる帯を締める。だらりの帯は先端が足元近くまで垂れるが、半だらは腰の辺りまで。五花街の一つ、祇園東のお茶屋兼置屋「まん」の 女将 ・上柳 満彩美（まさみ）さんは「半だらは、実地研修中ということを示しています」と説明する。

　1月から「まん」に住み込み、9月18日に舞妓となった 満彩矢（まさや）さんは8月26日、半だらの帯を締めた。当初は「まだ実感がわかへんくて不思議な感じ」と語っていたが、見習いの約3週間で自覚を高めたのだろう。デビュー当日には正装の黒紋付きに金糸のだらりの帯を揺らし、 凜とした表情であいさつ回りをしていた。

　11月1日から祇園東の舞踊公演「祇園をどり」の舞台に立つ。経験を糧に成長していく姿に期待している。（編集委員・木須井麻子）