川村昌弘、星野陸也、中島啓太が語る欧州ツアー。攻略のカギは「風」と「移動」【DPワールドツアー大研究②】
以前は日本人選手の“海外進出”といえば多くの人がPGAツアーを思い浮かべたはず。でもここ最近、日本人選手の活躍で急激に存在感を増したのが欧州の「DPワールドツアー」。一体どんなツアーなのかを2024年6月4日号の「週刊ゴルフダイジェスト」で大特集。「みんなのゴルフダイジェスト」では2回に分けてお届け。第2回目はDPワールドツアーに参戦中の“若きサムライ”3人に話を聞いた。
【川村昌弘】世界中でプレーする“旅人”ゴルファー
「移動はストレスだし大変なことが多いので欧州挑戦はおすすめしません(笑)」 欧州ツアーのコースセッティングは、例えば日本のコースではグリーンを外しても、パーパットを打てないような状況になることはなく、バンカーとかニアサイドに外してもナイスショットが出れば寄るし、奇跡の一撃がなくても3~4mのパーパットは打てますが、欧州ツアーのコースでは、そっちに打っちゃダメだというところにいっちゃうと、1回のアプローチミスでボギーどころかダブルボギーやトリプルボギーがみえるような難しいセッティングだと思います。 欧州ツアーは難しいコースが多いので、ボクはそこで球を打つことに慣れました。たくさん練習しても試合では、1球しか打てないから本当に積み重ねだと思います。シードを取るのに必死だった1年目を経て、2年目はコロナ禍、無観客でシードも持ち越し、日本にも帰れないという状況であまり入れ込み過ぎずにやれたのは自信になりました。そういうのが場慣れというか成長なのかもしれないですね。 いろいろな国を訪れたときも、運転は自分でします。マラガからマドリード、エジンバラからロンドンへもクルマで。コペンハーゲンからミュンヘンまでは橋を通って12時間くらいかかりました。朝食を食べ、ランニングをして午前中はゆっくりし、昼に和食の美味しいお店に出かけ昼食を食べ、近くのゴルフ場を探して「今から回れますかー」って。ヨーロッパでは、日本と比べてゴルフが気軽なのが、すごく好きなところですね。 でも欧州ツアーの移動は大変です。ボクは普段楽しいことしか言わないけど、移動とか絶対ストレスなので欧州挑戦はおすすめしません(笑)。ボクは慣れたし、以前はアジアンツアーに参戦していたので、アジアと日本を行き来して誰よりもハードスケジュールをこなした自信はあります。でもずっと日本ツアーでやっていて、この移動はグッとくるはずです。 最近、日本でバリバリ活躍している選手がこっちに来ています。日本の選手たちが欧州ツアーの環境に慣れて普通にゴルフができれば、今の日本の選手たちは上手いので活躍していることに驚きはないです。ただし、ゴルフ以外のことでグッときちゃうと難しいのかなと思っています。ボクもゴルフが大好きでやっているのでゴルフが好きな選手が来たら純粋に嬉しくて、一緒に楽しくやろうよという感じです。
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