【記者のベストレース2024】10番人気に攻めの◎ 本紙担当が明かした府中牝馬Sの裏話/舘林勲
舘林勲【府中牝馬S・シンティレーション】
近年、夏の新潟で脚光を浴びているのが日本海S。2023年はドゥレッツァがここを勝って直行した菊花賞を制覇。24年も勝ち馬ヘデントールが菊花賞2着と新たな時代のローテーションを構築している。このように夏開催では重賞以外でもオッと思わせるレースがいくつかある。それが今年は8月3日の新潟日報賞(新潟芝外1800メートル)だった。 それまでは時計を要し気味の馬場がベターなタイプと判断していたシンティレーションが、芝の1800メートル戦を1分44秒1(良)で走破し、上がり3ハロンは33秒3をマーク。11番人気の低評価に反発し、差し切った。その姿は過去とはちょっと違うムードを醸し出していた。 そして、迎えた10月の府中牝馬S。3歳時にエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグを筆頭にGⅠ好戦馬、重賞勝ち馬が揃っていたが、実績馬が先を見据える一戦と読んで◎に抜てき。10番人気ながらGⅠ馬と一緒に末脚を伸ばして2着と期待に応えてくれた。本紙予想で攻めの◎を打った2桁人気馬の好走はまさに気分爽快であった。 また、自社ではほとんど褒めてもらえなかったが、後日に顔を合わせた池上調教師には「タメた方が切れる脚を使えると思っていたけど僕自身がビックリしたくらい。よく本命にしましたね」とねぎらいの言葉を頂戴した。また、同業他社の記者や偶然、出演していたユーチューブの視聴者から温かいお褒めの言葉を頂いたのが非常にうれしかった。こういったファンの方々のためにも手抜き予想は厳禁!と改めて思えた意味でも、今年のベストレースにふさわしいと思っている。
舘林 勲