大阪北部地震で破損した鳥居 地元大工ら費用立て替え3年ぶり再建
大阪府東部にある四條畷神社(大阪府四條畷市)の参道入口付近で19日、再建された「一の鳥居」の竣工式が行われました。2018年6月の大阪府北部地震で従来の鳥居が破損、撤去されてから約3年ぶりの復活です。一の鳥居の復活を望む地元有志の主導により再建が実現しました。 【写真特集】撤去される前の「一の鳥居」や再建工事の様子
1892年建造の一の鳥居が地震で破損・撤去
JR学研都市線の四条畷駅から東に徒歩15分。飯盛山(標高314m)のふもとに四條畷神社はあります。創建は1890(明治23)年。南北朝時代、四條畷の合戦で足利軍に破れた楠木正行(まさつら)とその一族24人がまつられています。 1892(明治25)年に建てられた従来の一の鳥居は石づくりで高さ約7m。参道の入口にありました。2018(平成30)年6月18日、マグニチュード6.1の大阪府北部地震が発生。 四條畷市でも震度5弱を観測したこの地震によって一の鳥居の上部に亀裂が生じたことから、神社側は石材の崩落による被害を防ぐため、やむなく一の鳥居を解体・撤去しました。
鳥居破損と手水舎倒壊のWパンチ
追い打ちをかけるように、同年9月4日に上陸した台風21号の影響で、参拝者が手や口を清める手水舎(てみずしゃ)が倒木の下敷きになって倒壊するという事態も発生。 同神社の米村昌彦宮司(61)は、「私が宮司を拝命したのがこの年の4月1日です。それから6月の地震で一の鳥居を撤去せなあかんようになるわ、9月には台風で手水舎が壊れるわで、当時は『なんでやねん』と落ち込みました」と振り返ります。 年会費を集められる氏子組織を持たない同神社では、一の鳥居と手水舎を同時に修理できるほどの資金面の余裕はありません。境内にある手水舎の再建を優先し、一の鳥居の再建は後回しにせざるをえませんでした。
地元大工「自分は大工なので木なら扱える」
そんな時、地元有志から、一の鳥居再建の申し出がありました。 「一の鳥居が撤去されたあと、青年団の連中とはよく『子どものころから慣れ親しんだ一の鳥居がなくなるのはさみしいし、このままでは良くないよなあ』と話していました」と語るのは、有志の1人である木又誠次さん(42)。市内で工務店を営む大工の棟梁で、生まれも育ちも四條畷です。 旧一の鳥居は石造でした。木又さんは「石は扱えないが、自分は大工なので木なら扱える」と、木造なら自社で再建できるのではないかと思い至ります。